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箱庭の図書室

Vierge♀Cendrillon連載中!

Vierge♀Cendeillion~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~ #33 

#33 凶竜の契約印

前回のお話。
リリウムが、実験台の上で目覚める。
しかし、魔兎化していてとても話がきける状況では無かった。
グレンはリリウムに、睡眠薬注射をしようとするが、リリウムも抵抗。
なんとか射ったものの、グレンもリリウムが抵抗して出した黒い麟粉により、
2人一緒に倒れてしまうのであった……。

~ドラグネ山脈 道中~

 ドラグネ山脈に立ちこめる、深い霧も薄れた昼下がり。
チルリータ「もうすぐよ、休憩スポットは。」
不安定な地形を、勇ましく進むチルリータ。
一方、男勢はというと。
ジグマ「疲れた……。敵は強すぎるし道は悪いしもうグッタグタ………。」
エメラルド「まさかこんな冒険になるとはな………。」
………ずいぶん疲れた様子だった。HPも既に半分を切っている。
シシャモ「ん?そうか?」
もとい、シシャモだけはHPもスタミナも余裕な様子だ。
ジグマ「シシャモ何気にすごい……。」
エメラルド「能力はあろうとこれが多分、レベル差なんだろうな……。」
 2人は、ある意味自信を無くしていた。
シシャモ「まぁ、そのレベル帯でここまで来れた君たちもすごいよ。流石は魔兎を鎮めて面倒を見ている、2人だな。」
シシャモが、さらっと2人をほめた。
 進むうちに目の前には、簡素な小屋が見えていた。
 チルリータも、足取りを止めて男勢に言う。
チルリータ「さ、ついたわよ。休憩しましょ。」


~バベル塔 電力実験室~

グレン「うっ………。」
リリウム「ううっ………。」
2人は同時に目覚め、目を合わせた。
 リリウムは、きょろきょろと頭を動かす。薄暗い、まるでここで人体改造やらが行われているような怪しい実験室を。
リリウム「ここはどこ……。なんでりりは縛られているの……?」
グレン「ここはな……。俺の塔の研究室さ。」
 グレンが、分かったように言う。
リリウム「塔?何なの。しかもお前誰。怪しい……りりを誘拐したの………?」
リリウムは、グレンを睨み付ける。
グレン「また記憶喪失したのか………。」
 グレンは、頭を抱えた。
リリウム「記憶喪失って何なの!りり記憶喪失してないもん!この馬鹿馬鹿馬鹿……!馬鹿グレンっ!」
 リリウムが、怒鳴り声を発する。
 耳に響く程の大声に、グレンは耳をふさいだ。
 しかし、すぐにフフフと笑う。
グレン「……じゃあ記憶を取り戻したのか。びっくりした。」
 と、思ったら。
リリウム「……なんで、グレンの名前なんて知ってるの?」
リリウムは、きょとんとした。
グレン「まぁ、俺はグレンだよ?間違ってはない。」
 グレンは、腕を組んで頷いた。
 リリウムは、自分の今までの経路を考えてみた。
リリウム「りりがなんか暴走して……。火山に行って……。唐辛子を食べて……。りり、気でも失っていたのかな?」
グレン「うん。そして、ここに運びこんだのさ。」
リリウム「じゃありり………本当に記憶喪失になってたみたい。」
グレン「まぁな。」
2人は、お互いに笑い合うのであった。
リリウム「……で、なんでりり全裸にされてるの?この腕の刻印は何?」
リリウムの腕の上部。竜を象ったような形の刻印が刻まれていた。
グレン「これは……!」
グレンは、目を見開いた。
そして、突然リリウムの前にひざまずく。
グレン「我が主よ、これから貴女に命を掛けてお仕え致します。どうか私に、何でもお申し付け下さいませ。」


《続く》
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category: Vierge♀Cendeillion~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~

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