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箱庭の図書室

Vierge♀Cendrillon連載中!

Vierge♀Cendrillon~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~ #90 

#90 不死の炎に記された言い伝え

夜霧「俺は、己に宿いし力に使命を与えられている……。それはいずれ起こるであろう、終焉を止める為。俺が知る言い伝えに沿ってな……。」
モモ「言い伝え?」
夜霧「『全てを喰らいし魔の獣と、崩壊した塔の黒き竜。狂と凶が交差する時、世界は崩壊の意図を────これは不死の炎に記された言い伝え』……今この条件である片割れが、ルナリアに存在。更にもう片割れも確認済み……。魔導士チルリータ、お前なら分かるであろう。」
モモは、驚きにぴくっと身体を動かす。
モモ「『魔の獣』はあの馬鹿(リリウム)として……。『崩壊した塔の黒き竜』ってまさか……あの凶竜(グレン)じゃん……。ってなんであなたに分かるのよ!」
夜霧「ルナリアの大魔導士で、凶竜を追い続ける大の命知らず……。単なる噂だと思ったが、図星だったか。それにお前の家系は本来代々有能な魔導士で、『黒竜と交わりし魔女』の末裔なんだろ?」
モモ「なぜそこまで!?」
モモは、度肝を抜かれた。
夜霧「そこはまた、後で必要にならば話そう。」
モモ「またね?あまり長いといつ魔兎が来るかわからないから。」
その側では、るかたこが目を輝かせる。
るかたこ「チルリータ様凄い……。そんな肩書きがあったなんて……。」
楓「私にはぐーたら族の肩書きしか……。ねむい。」
一方、楓はあくびをしていた。
シシャモ「あの⑨ステータスはそのせいだったのか。」
シシャモは、真顔でそう言った。
モモ「⑨言うなぁ!」
シシャモ「……いて。おぅふ。」
モモは、ハリセンビンタを繰り出した。シシャモは、1のダメージ。
銀月「ところで、ディアナシステムを狙う目的をまだ聞いていないね。何かこれが必要な理由があるの?」
銀月は夜霧に、銃についた輝石を見せた。
夜霧「……それはな。あの塔の結界を破る為に必要……。バベルの塔が崩壊し、国中に魔兎ウィルスの災厄が蔓延したと知った俺は、すぐさまにその塔へと向かった。しかし、山脈は今や火の海。増しては塔のある辺りには、何重にも貼られた結界……。それを解く為のキーストーンの一つがその石なのだよ。」
銀月「へぇ……。グレンはそんな物をどうして……。」
銀月は、輝石にそっと手をやった。
夜霧「『ムーンライト・トパーズ』。これは本来凶竜(かれ)自身が持っていた石。そして、俺が持っていたり集めたりしたのがこれだ。」
夜霧はそう言うと、不思議な輝きを見せる黒い宝石をメンバーの前に見せた。
夜霧「これは、俺が持っていた『サンフィアー・オニキス』。」
るかたこ「不思議ね……。どこまでも深い闇のように黒いのに暖かさが……。」
リン「これで暖が取れますにゃ……うとうと。」
その宝石から、じわじわと発せられる心地よい暖かさ。それに一部のメンバーは癒されていた。
夜霧「そしてこれが4大属性の……。」
夜霧が、胸元から更に何か出そうとした時だった。
地面を滑る音と砂ぼこりを立たせ、巨大な黒い物体が輪の中に突っ込んできたのだ。
「!?!?」
メンバー達は、ボーリングのピンのように周りに吹き飛ばされる。
その中心には、ひどくこちらを睨みつけながらヨダレを垂らす魔兎がいた……。


《続く》

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category: Vierge♀Cendeillion~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~

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