FC2ブログ

箱庭の図書室

Vierge♀Cendrillon連載中!

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

category: スポンサー広告

TB: --    CM: --    

Vierge♀Cendrillon〜ようこそ僕らの闇堕ちギルド〜 #64 

#64 使い竜の失墜

リリウム「グァアアアアア………。」
リリウムが、哀しそうかつ恨めしそうな目をしてグレンを睨みつけていた。
グレン「だから何だよ……。俺が何か悪い事したなら謝るぞ。」
リリウム「…………。」
グレンは、リリウムの額を撫でる。しかし、彼女は表情を緩めずにそっぽを向いたままだ。
エメラルド「リリィ、言うことがあるんだろ……?」
エメラルドは、リリウムの肩をぽん、と軽く叩いた。その瞳もまた、どこか鬱気である。
リリウムは、ごくりと息を呑む。
そして、服のポケットから一枚の折り畳まれた紙を出し、グレンの顔も見ずに手だけそっちに向けて渡した。
グレン「なんだ……。」
グレンが紙を開き、内容を確認する。
『Vierge♀Cendrillonギルドメンバー グレン様

×月×日

〜通達書〜

貴殿は、『ルナリアガラガラ声騒動』の問題となる行動を起こしたとされ、当ギルドの信用を失墜させました。
よって、本日をもちまして貴殿の当ギルドによる活動を、無期限停止させて頂きます。

以上

Vierge♀Cendrillonギルドマスター リリウム・ノアール』

グレン「つまりこれは……。」
エメラルド「残念だな。………」
グレンは、紙を拳でぐしゃっと握る。そして、そのままギルドを後にした。
周りは冷たい目で見ていないふりをしている中、エメラルドは哀しげな目でドアの方を見つめていた。

それを窓の外から見つめ、クスクスと笑っている者がいた……。
ザキュバス「キュキュキュwwwこれは面白い結果だキュラ……。竜となる者が、下心から社会的信用を失うなーんてね……。」

〜その後、バベルの塔にて……。〜

それからのこと。グレンは、塔の下層奥深くで、一人うずくまっていた。
光も見えない天を、その首が仰ぐ気も無いまま。
ただ、自分の犯した過ちを悔やんでいた。
そうして動くことも無いまま、暗闇の中。時間だけが、ただ過ぎてゆく。
そこへ「キュラキュラキュラ……」と、どこかで聞き覚えのある笑い声が響いてきた。
グレン「何だよ……今は構わないでくれ……。」
竜の重いまぶたは、一瞬は開いたものの、またすぐに閉じてしまった。
すると、再度その甲高い笑い声が響いてきた。
グレン「だから構うな……。今すぐ立ち去れ……。」
グレンは、瞳を閉じたまま小声でそう言うと、再度眠りについた。
笑い声の主は、「しょうがないなぁ、」と呟くと姿を現す。
それは、取引をしたあのザキュバスであった。
ザキュバス「おはよーさん……今のご気分は……?」
竜の大きな額を、つんつんとつつきながら前に立っている。
グレン「……お前の事など二度と思い出したくない。いいから立ち去れ……。」
グレンは、微かに瞳を開いて鈍く睨みつけた。
ザキュバス「そんな顔するなキュラ〜。今、ルナリアがどうなってる事かね〜……。知りたい?」
ザキュバスは、瞳をクリクリさせている。
グレン「いいから立ち去れ……。」
グレンは、表情を変えずにその一点張りだ。
ザキュバスは、それにお構い無しで愉しそうにこう続ける。
ザキュバス「今のルナリアは本当面白いよー?あれからまだ例の件は解決しておらず、大混乱の中コンテストも中止。凶竜を倒そうと、ルナリア市民はおろか、他地方の冒険者や国軍たちも山脈に入っては、返り討ちにあい死亡者続出。今や他国をも巻き混んで国中が面白いことになっているキュラキュラ〜♪」
グレン「お前は大変な事をしてくれたな‼︎‼︎」
グレンがそう叫ぶと、ザキュバスの周りの重力が一気に重くなり、彼女の身体が一瞬にして紅い海となる。それだけではない。あまりの重力に上からは石がぽろぽろと崩れ落ち、床からは岩々がせり出し、空間は歪み、天変地異さえも起こしている。
彼は気づいていないが塔の外も、元の面影はなく、たくさんの岩や枯れた木々、歯車やガラクタなどに覆われ……。外観はそう、“崩壊”“混沌”を示すようだった。
山脈も荒れ、割れたところからは溶岩が流れ、住処としていたドラゴンや他の生き物たちも皆、滅びてしまった。
こうして、一匹の竜と世界は、完全に分断されてしまった。

《続く》
スポンサーサイト

category: Vierge♀Cendeillion~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~

TB: --    CM: 0   

コメント

コメントの投稿

Secret


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。