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箱庭の図書室

Vierge♀Cendrillon連載中!

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やみいろアルカディア #43 

#43 怨念、陰陽、そして鎮静

前回のお話。
氷のフィールドは、凍てついていた。
決闘になるかと思いきや……。
ユウリの唱えた「南無妙法蓮華経」でアイシクルはあっさりと成敗された。
そしてアイシクルが最期に何かを伝えようとユウリの足首を掴むと、彼の足が凍てついて……?


ユウリ「フェイントかよっ!」
ユウリは、とっさに手から闇の炎を放った。氷が解けると、足首を握っている手を蹴って引き離す。
アイシクル「お前にそんな能力があったとはな……。」
 アイシクルは、まさかという文字が顔に出ている。
ユウリ「俺が単なる空間魔だけだと思っていたのか……。」
ユウリは、血眼になっていた。
アイシクル「今……その能力を封印してやる……。凍結封印(フリーズシーリング)……。」
アイシクルは、手から冷気の輪を放つ。二つの光の輪は、ユウリの周りをくるくると廻る……。
ユウリ「かかるかっ!」
 二つの輪が交差する直前で、ユウリはひょいとかわした。
そのままぶつかった輪は、パリンと音を立てダイヤモンドのようにきらめいて消える。
アイシクル「もう一度……。」
アイシクルが、また冷気の輪を放つ。
 すると、背後から肩を叩かれる。
アイシクル「何だ……?」
ユウリ「●ート使いを前にそっちこそ封印されろ。」
ユウリは、アイシクルに笑いを見せるとさっと彼の視線から消えた。
その直後、アイシクルの前で2つの冷気の輪が交差する。
アイシクル「……!」
交差した輪は、アイシクルの回りを素早くぐるぐると回る。そして、彼をぐっと締め付けた。
アイシクル「ぐぁ……!苦しい……!」
ユウリ「自爆にはご用心。最期に言うことは?」
 ユウリは、片手に陰陽玉を構えている。
アイシクル「やめ……ろっ………!」
ユウリ「悪霊獄封陰陽玉!悪き霊を封印し、地の果てまでも堕とし込み封じん……!」
ユウリが、アイシクルの髄までその陰陽玉を打ち込む。
アイシクル「僕は……メアリーと………!フグァアアアアアア………!」
アイシクルは、鬼のようになった顔や身体中から怨念が見える程ににじみ出ていた。腹の底からもはや枯れきって聞こえない声を出しながら、陰陽玉に吸収されてゆく。
そして、陰陽玉は地面にころんと転がった。
ユウリ「ふぅ……。」
ユウリは、ため息だけを吐いて陰陽玉を拾った。
 氷の空間には、びゅうびゅうと凍った風が吹いている。
シラユキ「ユウリー!」
そこへ、シラユキが飛び込んで抱きついてきた。
ユウリ「シラユキ。舌は大丈夫?」
シラユキ「メアリーが治してくれたの。癒しの力で。」
シラユキのそばには、ミライが立っていた。どこかで見つけたのか、真っ白いコートを纏っている。
ミライ「ユウリ……。」
もふもふしたミライが、安心した様子でユウリに抱きついてもふもふしている。
ユウリ「みーちゃん……聞いていたけどそんな力があったんだ。もう帰ろう。」
ミライ「そうだね……。」
二人が抱き合うと、シラユキの身体が光りはじめる。
シラユキ「もうお別れ……だね。」
 シラユキは、儚げな笑顔を見せる。
ユウリ「え?」
シラユキ「ユキは元々……雪崩に巻き込まれて死んじゃったんだ……。その時持っていたぬいぐるみが……つららって名前で……。その魂が乗り移って……。今思い出したの。つららが捨てられた時にリメイクされて、メアリー……いや、ミライちゃんの言う……アイシクルになったんだ……。」
そう言いながらもシラユキは、どんどんと霞んでいく。
ミライ「古いぬいぐるみをリメイクした……ママから聞いた気がする……。」
ミライは、シラユキを見つめて言った。
ユウリ「俺にはさっぱり分からない……。けど、」


『――――じゃあね。』白い霞の中で、誰かは、最後に誰かがそう言った気がした。



《続く》
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