箱庭の図書室

Vierge♀Cendrillon連載中!

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Vierge♀Cendrillon~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~ #99  

#99 狂と凶が交差する瞬間

─────。

深い深い海の 奥深くには
暗い暗い闇の 灼熱地獄

潰される程の水圧が 心地よくて
吹き出している毒に 麻痺していくの

この熱さは私とあなたの
愛のベクトル
真っ暗闇も苦しみも
地獄さえも変える

あなたの放ったお魚さんが
私の海の底へも泳いでいく

私の深海から吹き出している
瘴気の愛でお魚さんを包みこんでいく

激しい流れに身を委ね 熱が増していく

ここは灼熱地獄、ふたりだけの深海
底でなおも奥へと沈んでいく────


リリウム「うぅ……あっ……。ハァ……ハァ……。」
リリウムは、甘い声を押し殺しながら息遣いを荒めている。
グレン「ハァッ……ハァッ……。」
グレンも、それに興奮し、息遣いを荒くしてゆく。

闇の中の魔兎と凶竜。その肌と肌を触れ合わせ。熱く、激しく、胸打つ鼓動を合わせ。息を荒げ。蜜を絡め合わせ。思考が感触に蝕まれていき、その目はもうお互いの顔がやっと見える程度で。その身体は快楽に任せるがままに堕ち。
そして。

その器の中に、濃厚でとろける蜜が注ぎこまれた。

その瞬間、更に甘美な領域へと堕ちてゆく。
リリウム「あぁっ………!っはぁ………っ!」
体熱が最高潮に達するその時。電脳、遺伝子レベルでリリウムの身体は、まるで雷に打たれたかのような衝撃的な快を感じた。彼女の心も、どこかぽっかりと空いていたものが、優しい温もりで熱いほどに満たされている。
本能的に素直になる彼女の恍惚の表情。
それを見るグレンも、息を荒げて表情をとろけさせていた。


二人は気付くはずもない、その頃……。


夜霧「遅かったか………。」
夜霧は、歯、いや、そのくちばしを食いしばっていた。
目の前には、粘液を絡ませては戯れている、黒き醜き竜と兎───魔獣同士の交わりであった。
モモ「こ……こんな…………。」
モモは、地に伏せて涙を流していた。
湧き出るは、使命として間に合わせられなかった事に対する負の感情。……いや、それよりもっと私情的な憎悪の念……。
しかもそれがすでに表面に具現化され、モモの身体からは黒い煙が出ていた。
夜霧「落ち着け……気持ちは分かるがありえた話だ……。」
夜霧は、モモの背後で冷静に投げかけた。
しかし、女というのはそれで止まるはずがなく。
モモ「…………許サナイ……。」
モモがそう呟いた瞬間。壁や天井が脆く崩れ、空間が渦巻き状に歪み始める。
夜霧「チルリータ!」
夜霧は、彼女の元へ向かおうとするも、すぐに弾き飛ばされてしまう。
リリウム「グァ…………。」
あの二人も目が覚めた時には。
既に目の前には、何もかもなくなっているように見えた。

《続く》
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category: Vierge♀Cendeillion~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~

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Vierge♀Cendrillon~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~ #98 

#98 Front of the door

リリウムの身体を、グレンの手が優しくさする。
リリウム「うぐっ……。」
リリウムはそれに対しただ、無防備にうっとりとしている。
グレン「よしよし……。」
グレンの手が、リリウムの身体を伝い彼女の胸に触れる。
リリウム「ぐぅ……っ!」
リリウムは、ふにっとした手の感覚と身体が痺れるような感覚に小さく声を出しもがいている。それはもはや、魔兎という化け物ではなく可愛い小動物そのものだ。
グレン「いい子……。やはり魔兎いえど可愛い兎ちゃんじゃないか。」
グレンは、彼女を身体や胸を撫でる。そして、頭から長く垂れ下がった黒い耳を優しく喰んだ。
リリウムは、耳をぴくんと動かす。そして、気持ち良さそうに。
リリウム「ぅー……。」
小さく、甘えた声を出していた。
グレン「本当可愛いな……。」
グレンの胸が、鼓動を立てながら熱くなる。同時に手には強い温もりが感じられ、動きと吐息がどんどん優しくも、熱くなっていく。
そしてグレンは彼女との距離をさらに詰め、リリウムの服に手をかける。
グレン「……いいか?」
リリウム「ぐぁーっ……。」
そっとうなづくリリウム。実際彼女も、彼の着ているジャケットのえりに手をかけていた。
そのまま二人は、そっとお互いの布衣(ヴェール)をはがしていく……。

~バベルの塔深部にて モモと夜霧~

夜霧は、息を荒くし、音速で迷宮の中を進んでいた。
モモは、馬鹿にならない程の向かい風に、肺は潰れ吹き飛ばされるどころか、玉砕してしまいそうな程の苦しみを身一つで受けていた。それでも、不死鳥の身体に死に物狂いで捕まっている。
二人とも、どこまで続くのだろうとは薄々思っていた。しかし、身体にかかる物理的な負荷。あの二人が交わり、世界が滅びてしまう前に止めなければならないという目の前の強い使命が、言葉や思考をも霞ませていた。
夜霧「グァッ!………」
モモ「きゃっ!………」
二人は、何かにぶつかり反動で大きく押し返される。
気がつくと、目の前には大きな扉が構えていた。
夜霧「……着いたか……。」
モモ「ね……。」
二人は、大きく息を吐いた。
しかし、すぐにまた気を引き締める。
夜霧「時間がない……。宝玉をあのくぼみにはめるのだ……。」
モモ「分かったわ。」
モモは、大切に持っていた深蒼の宝玉をそっと、くぼみにはめこんだ。
すると、地面を引きずる音を立てながらゆっくりと、扉が開く。
その先は、これまでよりもなお一層深い真っ暗闇。それは、いくら今までの風景で目が闇に慣れているその目であろうと、微かな色も形も、線も影も見えない程であった。
モモと夜霧は、お互いの顔を見つめあいそっとうなづいた。
モモ「行きましょ……。」
そしてモモは、夜霧の背中にまたがる。
夜霧「あぁ……。」
夜霧は、翼を広げて立ち上がる。
そして二人は、深い深い闇の中へと飛んでいく。
終焉を阻止するべく、想いを向かい風に乗せて……。


『グレン……もうすぐ行くからね……。』


《続く》

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Vierge♀Cendrillon~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~ #97 

#97 Under of Labyrinth

~バベルの塔 地の迷宮回廊~

重力の迷宮を切り抜けた火の鳥と魔女。次に待ち受けていたのは、闇に向かって奥へ奥へと広がる回廊だった。
夜霧「バベルの塔……天に伸びるどころか地に……。」
夜霧は、隼をも蟻と同義にしてしまうような速さで、一寸先の闇と風を切り抜けている。
モモ「んな事知らないわよ!あんたが知らないなら……。」
モモは、帽子を身体の間に挟み、吹き飛ばされないように彼の身体にしがみついていた。
夜霧「うむ……しかしこのままではマズイ……。」
夜霧は、険しい表情を見せる。
モモ「何か悪い予感がするの?」
夜霧「───決して離すのではないぞ。」
モモ「分かったわ。」
モモは無駄な事は話さず、今以上に夜霧の身体にしがみつく。
それを確認すると夜霧は、音を駆け抜けるまでに飛行速度を上げた。
魔兎の辿った後の、微かな黒い足跡を追いかけて。

***

───???

二人は、まだ身体をお互いに添わせていた。
リリウム「こんな感覚……久しぶりかもしれないの。」
グレン「そうか。俺もだよ。」
触れ合う手と身体、温かみ。それはかつて、二人の間に出来た氷の壁を優しく溶かしていた。
リリウム「うぐっ!?」
リリウムの顎を、グレンが半ば強引に上げた。
そして逃げる隙もなく、グレンがリリウムの口の中に舌を入れ始める。
リリウムは、反射的に彼の舌を噛んで引き離した。
グレン「おいおい噛むなよ……痛い。」
グレンは、舌の痛みと血の味を感じていた。
リリウム「ぐぁっ……!?何するの……!」
リリウムこそ、気味が悪そうな顔をしてグレンを見ている。
グレンも、リリウムの瞳を真正面から見る。
グレン「いいだろ……?」
リリウム「ぐぅ……っ。」
再びグレンが、リリウムの口の中に舌を入れてかき回す。
リリウム「……!」
今度は、リリウムの口の中から温度が一気に急上昇する。舌が巧妙に動くぬめっとした感覚は、彼女にとって、どこかで感じたことのあるもののように思えた。
気がつけば、彼女の顔全体が火照っている。彼女自身も、もう抵抗する気など起きていなかった。
それを見たグレンは、優しく微笑みを見せる。
グレン「可愛い魔兎だ……。」


《続く》

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Vierge♀Cendrillon~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~ #96 

#96 Gravity Labyrinth

───???

黒竜は若い男の姿へと姿を変え、少女の目線へと立つ。
男「ごきげんよう。ご主人様。」
少女「久しぶりなの。本当に。」
二人は挨拶を交わすと、見えない引力に操られているかのように。
二人の心はお互いに、どこか冷えきってしまっていた。そこに生肌の温もりがじわじわと伝わってくる。
すると、二人の瞳にはお互い思わずに涙が浮かぶ……。
グレン「リリウム様……リリィ……。やっと来てくれたね……。」
リリウム「グレン……導かれただけなの……馬鹿……。あれから何かと心配してたのよ……。」
黒兎の少女=リリウム。黒に染まってしまったその凶竜=グレン。
二人はお互いにその身を離さない。ぎゅっと、ずっと。宝石のような涙を流して。
温もりにうっとりしたまま、時は過ぎていく。何も語らず、意思のみを通わせ……。


~バベルの塔 内部~

夜霧「あの竜め……。」
夜霧とモモは、重力が湾曲し、何もかもが歪んだ空間の中で彷徨っていた。
モモ「気分が悪いわ……クラクラする……。」
モモは、ふと手の力が抜けかける。
夜霧「しっかりしろ!…………。」
夜霧は強い口調で、モモに話しかける。
眠りかけた彼女は、ハッと目を覚ました。
モモ「ごめん……。」
夜霧「気分が悪くなるのは分かるさ……。」
夜霧自体も、決してしっかりとは飛べていなかった。歪んでしまっている空間の中で。
フラフラと舞いながら、突破口を探す。
モモ「見て!あそこよ!」
すると、両開きの扉が開いているのをモモが発見する。
その扉の先は、真っ暗闇であることも確認できる。
夜霧「あそこか……。」
夜霧は、あっちへこっちへ重力に翻弄されながら進みつつも。間もなくその扉の開いた先へとたどり着き、進んでいくのであった。


《続く》

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