箱庭の図書室

Vierge♀Cendrillon連載中!

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Vierge♀Cendrillon~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~ #91 

#91 “魔の獣”

────???

それは夢なのか、それとも現なのか。モヤのようなぼーっとした中で、少女は微かに意識をを覚えた。
それと同時にどこか本能的に懐かしいような、どこか心地のよい、でも気色の悪い……。なんとも言えないぬめぬめとした、柔らかく生温い壁に覆われている感覚。そして、身体に幾多にも繋がれた管から、ドクンドクン、血液が流れ込む感覚。
そして彼女は、なぜかとろけるような感覚も覚えていた。今までは嫌悪を感じていたようにも思えたのに、とても気持ちが良い、今までにないような……。
少女「ぅあ……、あ……………っ。」
少女は、肉壁の闇の中で微かに声を漏らしていた。
その時だった。
『ここまでおいで…………。』
どこか聞き覚えのある声。しかし、それは憂いを宿していた。
少女は、一瞬嫌悪を抱いた。しかし、それはすんなり忘れ去られたように、答えようとしていた。
すると、少女の片腕が疼き、火照り出す……。
少女「ぐっ…………あっ…………!」
そうして、少女の意識が遠のいていった……。


~荒廃したルナリア~

夜霧「現れたか……。魔の獣。」
モモ「魔兎リリウムと言うべきね。」
夜霧とモモを先頭に、生存者達はそれぞれの武器を構えていた。
そこへ魔兎が襲いかかる……と思いきや。
魔兎は、その場に伏せて動かなくなってしまった。
シシャモ「…………あれ?」
妖猫「動かなくなった……。」
その場にいた全員が、しばらくぴたっと止まって魔兎の方を見ていた。
しかし、全く動く気配がしない。
黒猫魔「フラグにゃあ!みんな逃げるのにゃ!」
突然黒猫魔が狂ったように叫び、その場から逃げ出す。
リン「みんな逃げて!」
リンの叫び声のすぐ後、皆もその場から離れる。
黒猫魔「防御体制を整えるのにゃ!」
リン「りんごあめー!」
リンがりんごあめステッキを前にかざすと、頑丈な結界が張られる。
銀月「ディアナシステム『レーディング』。結界を強固せよ。」
銀月が、りんごあめガードの魔方陣の中心部に、光る弾を撃ちつける。するとそこから、淡く光る透明の鎖が、しゅるしゅると結界に巻きつき、ガードを固めた。
すると、次には。
リン「うそ……。」
リンは、放心状態になってしまっていた。
なぜなら、最強のりんごあめガードをディアナシステムで強化した完全無欠の結界は見事に破られていたからだ。しかも、いつの間にか皆気を失っていたようで。その場に倒れていた。
ライジン「オーマイガッ……。」
目覚めた生存者達が、目の前に見たもの。更に黒く、先ほでまでの比にならない、それ自体が猛毒と化した邪気を放ち、もはや黒い煙で出来た巨大な兎の影にしか見えない何かがいた。周りには蜂か烏の大群のように飛ぶ黒い粒子の波が、兎の存在をかき消そうともしているように見える。更にその背後には、黒い竜と思わしき影が……。


《続く》
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Vierge♀Cendrillon~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~ #90 

#90 不死の炎に記された言い伝え

夜霧「俺は、己に宿いし力に使命を与えられている……。それはいずれ起こるであろう、終焉を止める為。俺が知る言い伝えに沿ってな……。」
モモ「言い伝え?」
夜霧「『全てを喰らいし魔の獣と、崩壊した塔の黒き竜。狂と凶が交差する時、世界は崩壊の意図を────これは不死の炎に記された言い伝え』……今この条件である片割れが、ルナリアに存在。更にもう片割れも確認済み……。魔導士チルリータ、お前なら分かるであろう。」
モモは、驚きにぴくっと身体を動かす。
モモ「『魔の獣』はあの馬鹿(リリウム)として……。『崩壊した塔の黒き竜』ってまさか……あの凶竜(グレン)じゃん……。ってなんであなたに分かるのよ!」
夜霧「ルナリアの大魔導士で、凶竜を追い続ける大の命知らず……。単なる噂だと思ったが、図星だったか。それにお前の家系は本来代々有能な魔導士で、『黒竜と交わりし魔女』の末裔なんだろ?」
モモ「なぜそこまで!?」
モモは、度肝を抜かれた。
夜霧「そこはまた、後で必要にならば話そう。」
モモ「またね?あまり長いといつ魔兎が来るかわからないから。」
その側では、るかたこが目を輝かせる。
るかたこ「チルリータ様凄い……。そんな肩書きがあったなんて……。」
楓「私にはぐーたら族の肩書きしか……。ねむい。」
一方、楓はあくびをしていた。
シシャモ「あの⑨ステータスはそのせいだったのか。」
シシャモは、真顔でそう言った。
モモ「⑨言うなぁ!」
シシャモ「……いて。おぅふ。」
モモは、ハリセンビンタを繰り出した。シシャモは、1のダメージ。
銀月「ところで、ディアナシステムを狙う目的をまだ聞いていないね。何かこれが必要な理由があるの?」
銀月は夜霧に、銃についた輝石を見せた。
夜霧「……それはな。あの塔の結界を破る為に必要……。バベルの塔が崩壊し、国中に魔兎ウィルスの災厄が蔓延したと知った俺は、すぐさまにその塔へと向かった。しかし、山脈は今や火の海。増しては塔のある辺りには、何重にも貼られた結界……。それを解く為のキーストーンの一つがその石なのだよ。」
銀月「へぇ……。グレンはそんな物をどうして……。」
銀月は、輝石にそっと手をやった。
夜霧「『ムーンライト・トパーズ』。これは本来凶竜(かれ)自身が持っていた石。そして、俺が持っていたり集めたりしたのがこれだ。」
夜霧はそう言うと、不思議な輝きを見せる黒い宝石をメンバーの前に見せた。
夜霧「これは、俺が持っていた『サンフィアー・オニキス』。」
るかたこ「不思議ね……。どこまでも深い闇のように黒いのに暖かさが……。」
リン「これで暖が取れますにゃ……うとうと。」
その宝石から、じわじわと発せられる心地よい暖かさ。それに一部のメンバーは癒されていた。
夜霧「そしてこれが4大属性の……。」
夜霧が、胸元から更に何か出そうとした時だった。
地面を滑る音と砂ぼこりを立たせ、巨大な黒い物体が輪の中に突っ込んできたのだ。
「!?!?」
メンバー達は、ボーリングのピンのように周りに吹き飛ばされる。
その中心には、ひどくこちらを睨みつけながらヨダレを垂らす魔兎がいた……。


《続く》

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Vierge♀Cendrillon~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~ #89 


#89 言葉の刃が胸を刺す

そこへ、さらに『言葉』の暴力が舞い込むこととなる。
モモ「大体。人をいきなり襲うなんてどこの狂人よ。」
黒猫魔「無駄なフラグを建てにゃいでください。」
モモ「こっちは既に色々面倒事に巻き込まれているの!」
黒猫魔「これ以上の面倒事はスルーさせて頂きたいにゃ。」
モモ「凶竜はあの馬鹿兎に取られるし!」
黒猫魔「早くお家に帰って寝たいにゃ……」
モモ「街はこんなのになるし!」
黒猫魔「しまった、お家もギルドも潰されてたんだにゃ!」
モモ「召使いも死んだし!」
黒猫魔「このぉ……藁人形に五寸釘を……。」
モモ「なんかキチガイは現われるし!」
黒猫魔「えいにゃ!えいにゃ!(藁人形に釘を刺している)」
モモ「あの巨大な怪物を止めなきゃいけないのに何よ!あなたまで私の邪魔をするの!」
モモは、もはや泣き言状態になっていた。
この事態に夜霧は、さっきまでの攻撃体制はどこやらか。そばによって。
夜霧「──違う……。落ち着け……。」
怒っている彼女になんとか説得しようとしている、彼氏のようになっていた。
モモ「いかにも厨二な設定持ち込んでふざけないでよ!」
モモは『強烈ビンタ』を繰り出した。気持ちのいい音と同時に、夜霧の冷たいほおが赤く腫れあがる。
夜霧「──………ちゃんと話はする……。」
夜霧は、腕がかすかに震えていた。
そこへさらに、黒猫魔が杖を胸の前で構えながら迫る。
黒猫魔「さぁ……て。その信憑性はドウなンでショウ……。」
黒猫魔の背後からは、厚い雲で覆われた暗い空よりもどす黒い、うごめく何かが感じとられる。
夜霧「──…………。」
夜霧は、再び刃に手を伸ばそうとする。
シシャモ「はい、カット。」
そこへいつの間にか、シシャモが間に入っていた。
モモ、黒猫魔、夜霧はハッと我に戻る。そしてシシャモの方を向いた。
シシャモは、呆れ口調でこう言う。
シシャモ「全く……。こんな時に余計な争い事を巻き起こして、更に事態を悪化させる気か。モモと黒猫魔は落ち着け。そして夜霧?は、ディアナシステムを狙う目的やこうなるに至った経緯を教えろ。」
三人はその後、争う余地もなくすんなりと話し合いに入る。
瓦礫の山に皆が円に集まる。
そうして夜霧は、こうなるに至った経緯を語り始める……。

《続く》


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Vierge♀Cendrillon~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~ #88 

#88 漆黒龍の刺客、夜霧。
   男は、銀月の方を見つめている。
銀月「狙いは分かっている。目的は何だ……。」
   銀月は、銃口を男に向けて警戒する。   
男「…………。」
   しかし男は、口を開かない。
   すると今度は、モモが前へと出てくる。
モモ「何があろうとこれ以上の、面倒はごめんなのよ!」
   彼女の杖が、男に向けられる。
   しかしそれでも、男は口を開かない。
銀月「目的が無いならば、これを渡すわけに……。」
   銀月が、そう言っている時だった。
   突然、男の方からこちらへ向かってくる。
   銀月は瞬時に照準を定め、男の胸を撃ち抜いた。
    男は、その場にくたっとひれ伏す。しかしすぐに傷は癒え、また立ち上がった。
モモ「てかお前は誰なのよ……新種のアンデッドか何か!?」
   モモは、そう言いながらフリーズを唱えた。男の身体が、今度は氷に包まれる。
夜霧「──我が名は夜霧……世界を護りし者。『漆黒龍の双牙』」
   夜霧はモモに囁く。と、同時に両手に持った二つの刃が、モモの身体を切り裂いてゆく。
モモ「ひいっ……!」
   致命傷は間逃れたものの。彼女の身体の所々から、鮮やかな鮮血が流れ出ていた。
楓「大丈夫ですかっ!?」
   楓がすかさず、回復魔法をモモにかける。
モモ「こいつ……なんなのよ……。」
シシャモ「とにかく、無闇に関わると危ないぞこいつ。」
   メンバー達は、その場から逃げ出そうとする。
   しかしいつの間にか、夜霧の分身がメンバー達を囲う。
ライジン「おいおい……。」
るかたこ「皆さん落ち着いてくださ……っ。」
   るかたこは、目を回してしまった。
銀月「無闇にシステムの技を使うのは危険……。でもこのままだとまた誰か死にかねない。」
   銀月は、銃についた輝石に手をかけようとした。
リオン「今はやめとけ。」
   リオンは、『THE SUN』のカードを天にかかげた。
    光の雨が、夜霧の分身を取り払う。
夜霧「──くっ……。」
   夜霧は、少しは効いたのか若干険しい表情で構えを取っていた。
モモ「何よ。こっちは今この街で暴走する、魔兎の件で忙しいのよ。」
黒猫魔「邪魔者は逆十字にはりつけて、魔兎の餌にでもなってもらいましょうか……。」
   モモと黒猫魔は、お互いの杖を夜霧に突きつけた。
夜霧「…………。」
    夜霧は黙りこんでいる……。
《続く》

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