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箱庭の図書室

Vierge♀Cendrillon連載中!

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Vierge♀Cendeillion~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~ #42 

#42 凶竜と乙女とジェラシーと

前回のお話。
グレンが、リリウムにキスをした。
リリウムは、不機嫌になるどころか、暴走し始める。
グレンが手を打つも、暴走は止まらず。
バベル塔は、暴走したリリウムの触手で埋め尽くされた……。


~Vierge♀Cendeillion ギルド~

モモは、イライラしていた。
モモ「ルナリアの馬鹿魔兎と散々暴れて逃げるなんて……。グレンめ、やっぱり凶竜だわ。ったく……次現れたらぶちのめしてやる……。」
いや、既にキレて愚痴っている。
するとギルドに、男が駆け込んできた。
モモ「……ってグレン!」
グレン「……ちょっと厄介なことになった。」
 グレンは、少し息を荒げていた。あれから、急いでこのギルドへ駆け込んできたのだ。
 エメラルドが、大体その訳の予想がついている様子でグレンに話しかける。
エメラルド「どうした、厄介な事とは。あの馬鹿リリィの事か?」
グレン「図星です。」
エメラルドの予想通りだった。
エメラルド「具体的には何があったんだ。どこぞの凶竜さんが魔兎獣にでも喰われそうにでもなったのか?」
グレン「それが……。」
モモ「ちょっと!」
 グレンが事情を説明しようとする間に、モモが乱入してきた。
 それに対してグレンは、ニコニコしていた。
グレン「どうしてそんなに怒っているんだい?俺を狙うもいつも失敗ばかりのハンターさん。」
 グレンは、モモを見下すような目で見た。
モモ「(私があのチルリータであることが)バレてた……だとッ!」
 モモは、自らの変装した正体がバレていたのかドキッとする。
グレン「全身ピンクの趣味と声のトーンで分かるよ。」
 グレンは、ハハハと笑った。
モモ「ムキーッ……!それより、あの魔兎娘との契約を解除して私の僕になりなさいよ!」
 モモが、般若の面相でグレンに迫りかかる。
グレン「え。だが断る。」
グレンは、真顔で返事を返した。
 それを聞いたモモが、さらにヒートアップする。
モモ「どうしてよ!」
 すると、グレンはモモの肩に手を置いた。
グレン「契約が解除出来ない……というのもあるが、あの子が案外可愛く思えるんだ。」
モモ「………。」
グレンの言葉を聞いたモモは、黙りこんでしまう。心の中は、怒りとジェラシーが渦巻いている。
 そんなモモの後ろに、話の途中で割り込まれたエメラルドがデカイ図体で立っていた。
エメラルド「それよりお嬢様、俺はグレンの話を詳しく聞きたいのだが。場合によっちゃ、俺らが止めに行かないといけないしさ。」
モモ「………分かったわよ。」
 モモは、不機嫌そうにその場を引いた。
その傍らで。もう一人、心の中が怒りとジェラシーに渦巻いていた人物がいた。
それは、ジグマだった。
ジグマ「…………。(リリィ、最近俺に構わず好き放題しているし。グレンもリリィと妙に仲がいい……。やっぱりそういう事だったのか………。)」
彼は、うつ向いたまま表情を強張らせている。
あいめろ。「ねぇ、どうかしたの?」
 あいめろ。が、ジグマの顔を覗きこむ。
ジグマ「………君には関係無い。」
リン「ジグにゃ、やっぱりりりしゃの事で何かあるのかな?良かったら相談乗るよ?」
リンも、隣でジグマの顔色を伺っていた。
ジグマ「うん………。」
ジグマは、とりあえず適当に返事を返した。


《続く》
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category: Vierge♀Cendeillion~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~

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やみいろアルカディア #25 

#25 矢雨の被害

前回のお話。
村中では、シャーリーとリナの手により、種族も男女も関係なくイチャイチャ大会が繰り広げられていた。
それを天上院家の面々が、イチャイチャ大会の原因であるキューピッドの矢を回収するのであった……。

その頃、闇咲邸では。
フウ「……と、いう訳です。」
トリック「まぁ、リオレ荘長と不良のホモカップルは放置して来たんだけどね。」
リオレ荘の被害状況を、闇咲邸の面々に相談するリオレ荘住人。
カーラ「私は買い物途中だったからその場に居なかったんだけど、確か村を歩いていても……。」
ヒスイ「ここに来る途中も幸せそうなカップルが沢山居たね。」
数々の被害状況と目撃証言。
それに対して、闇咲邸側、レナの答えはというと。
レナ「そっちの方は天上院家やマリーの方が詳しいと思うけどね……。確か、クロロとユウリがイチャついていたのも、そのせいだし。」
フウ「そっちも被害受けていたの!?」
 フウは、驚いた様子だった。
レナ「うん、アリシアが見つけてくれたけどね。本当にビックリした……。」
レナは、当時の事を思いだしため息をつく。
ユウリ「で、天上院家に相談した方が、お前らも手っ取り早いと分かっているはず。なのに、なんでここに?」
 ユウリが、疑問を投げ掛ける。
カーラ「最初は天上院家に行くつもりだったけどここに来る途中も、矢雨が降って来て……。」
メイル「危なかった……。」
 ハラハラした様子でため息をつく、リオレ荘の住人たち。
トリック「天上院家に続く道は特に激しく降っていたんだ!本当だよ!」
 トリックも、一生懸命だった。
ユウリ「そうか。なるほどね。」
ユウリは、納得した。

***

その黒幕である、シャーリーとリナ。
シャーリー「へっへーん。いくら回収したってまた矢の雨を降らせれば元通り、いや、カオス?」
 矢の雨を降らし、回収作業をする天上院家の面々を哀れな目で見るシャーリー。
リナ「アンタ、飽きないわね……。」
それに対してリナは、疲れた様子だった。
シャーリー「しかし、天使とちびっこはともかく、さっきからあのうるさそうな娘が居ないわね……。」
 シャーリーは、知らぬハルカの姿が見あたらず、辺りを眺めていた。
リナ「諦めて帰ったんじゃないの……?」
シャーリー「ならばいいけれど……。」
二人が、ぼーっとしていた時だった。
レナ「あーっ!リナ!やっぱりあなた達の悪巧みだったの!」
リナ「ギクッ。レナ……!」
レナが一人、ラブリーなリボン付きの杖を構えて背後に立っていた。
シャーリー「こ、この悪魔何よ!」
 シャーリーも、弓を構える。
リナ「こいつは人の大切な者を全て奪いつくす凶悪な奴だ!」
シャーリー「アンタが言う筋合いは無いわね!けれどこの弓矢を奪いに来たのならば……。」
 レナに対して構える二人の背後から、更に凛々しい声がする。
ハルカ「来たのは悪魔だけじゃないわ。村中を混乱に陥れているのはあなたたちでしょ。」
 レナの反対側からは、純潔なシスター服を纏い、メイスを敵に突き付けるハルカ。
 リナが指先から、紅の炎を灯す。
リナ「一気に二人とは……ね。纏めて燃やし尽くしましょ。」
シャーリー「待って、私に名案があるのよ……。」
シャーリーは、リナの耳元で何かを囁いた。
リナ「あぁ……なるほど……。じゃあお姉様も邪魔されず手をかけられるって訳ね。」
リナは、シャーリーの作戦を聞いてニヤリと笑った。


《続く》

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Vierge♀Cendeillion~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~ #41 

#41 にゅるりとしたモノ

前回のお話。
バベル塔には、追われていたリリウムとグレンが逃げ帰ってきた。
ジグマは、リリウムの態度にイラついていた。
と、同時にリリウムもジグマへの不満が出ていた。
そんなリリウムに、グレンが迫ってきて……。

グレン「んっ……。」
リリウム「ぐっ………!」
グレンとリリウム。二人の距離が迫っていく。
そして。
 にゅるりとした感覚と共に、二人の唇が触れ合う……。
リリウム「………!」
リリウムに、全身に何とも言えない不快感が走った。
 それに対してグレンは、とても気持ちが良さそうだ。
 続いてグレンの舌が、ぬめっとした感覚を発しながらリリウムの唇に触れる。
リリウム「……………っ!」
またリリウムに、不快感が走る。
グレンは、リリウムをきつく抱いて舌を這わせる。とても気持ちよさそうに、目を閉じながら。
グレン「んっ………。」
リリウム「この……馬鹿野郎ぉぉぉぉおおおお!!!!」
リリウムが、隠し持っていたナイフをグレンの体に突き刺す。
彼の刺されたところの服地に、赤い鮮血が染み渡る。
グレン「……やっぱりお前って奴は。聞いた通りの悪い子だ。」
グレンは、平気な顔をしてナイフを体から引き抜いた。
リリウム「効かない……の。」
リリウムは、口をあんぐりと開けていた。
グレン「凶竜と恐れられている大物に、何処にでも売っている安物のダガー一本で立ち向かおうとは。リリウム。お前って奴は、本当に無茶苦茶な魔兎さんだな。」
グレンは、半分馬鹿にしたような笑みを浮かべていた。
リリウム「何なの!りりはそういうの嫌いなの!グレンもりりを縛って好き勝手するつもり!?グゥウウウ………。」
 リリウムは、グレンに対して威嚇している。
グレン「そのつもりは無い……。ただリリウム様を癒したいだけですっ☆」
グレンがお茶目にも、舌を出した。
リリウム「グレンも馬鹿……!ならばこの塔をぶっ壊シテヤルノ……クヒヒヒ………。」
リリウムが、真っ黒いオーラと共に大量の触手を出す。
グレン「おい……それはやめろ……!」
グレンが、自らのファイアを唱えリリウムの触手を焼き払う。
が、リリウムの触手はまた生えてきた。
リリウム「ソノ程度デハ効カナイノ……!ククク」
 リリウムは、そう言っている間にもハイスピードで塔の中にどんどん触手を広げている。
グレン「こら、今すぐ引き上げろっ。」
グレンが、リリウムの体に重力をかけた。
リリウム「ククク……ッ。ウケケケケ………ッ。」
触手のスピードは多少弱まるも、リリウムにはあまり効果がない様子。平気そうに、不気味な笑みを浮かべた。
グレン「フッ……。そういうつもりなら。」
グレンは、黄色いドラゴンの姿になる。
そして口から炎を吐くように、稲光を発する!
稲光は、リリウムに直撃。彼女の動きが止まる。
しかしそれは一瞬の事だった。リリウムの触手が更に急激に広がり、出口を塞いでしまったのである。
グレン「このっ!」
グレンは、身体を赤く染める。炎を口から吐いて触手を焼くと、出来た穴から瞬時に外に出た。
グチャッ……ヌルヌルッ……!気味の悪い音を立てながら、復活した触手が穴を塞ぐ。
グレンが後ろを振り向くと、塔は既に触手で埋め尽くされていた。
グレン「…………。」
 グレンは、ただ空中で眺めていた。


《続く》

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やみいろアルカディア #24 

#24 キューピッドの矢

前回のお話。
自室では、ハルカの妹のツバサが日記を書いていた。
そこへ、二人の妹のハクモがやって来る。
ハクモは、「キューピッドの矢による異変を解決するからお前も手伝え」というハルカの伝言を伝えるも、ツバサは断るのであった。


村中では、少年少女、動物、妖怪や魔、更には男女までもが関係無しに惹かれあった相手と抱き合ったり、キスをしたり。人目なんて気にしないイチャイチャ大会が繰り広げていた。皆、背中には矢が刺さっているにも気付かずに……。
それを遠くから見て笑っているのは、白と黒の悪者……。
シャーリー「やっぱり、楽しいわね。種族、男女までの差関係なくカップルを乱立させていくのは……。」
シャーリーは、うっとりとしていた。
 それに対してリナは、体を震わせ拳を握っていた。
リナ「確かに愉快だけど……ね。なんだか見ててイライラするわ………。」
リナは、「リア充爆発しろ」と言いたげな様子だった。しかし、そんな言葉なんて知らなかった。
シャーリー「あ、なんかせっかく人が幸せそうなのを邪魔している奴がいるし!」
シャーリーの見下ろす先には、矢を引き抜き、回収をしている者がいた。

***

天上院家の面々……ハルカとハクモ、そしてフェネアンだ。
フェネアン「これだけの数があるなんて……疲れたー。面倒臭いー。休んでいいかしらー?」
 フェネアンは、いい加減に仕事をしながらそう言った。
 それに対して、厳格に接するハルカ。
ハルカ「ダメ!ちゃんとやりなさい!」
フェネアン「ちっ。ハクモもこんな仕事なんてサボって、遊びたいでしょ~?」
 フェネアンが、ハクモの方を向いた。
ハクモ「う……うん。」
 フェネアンの視線に戸惑いながらも、うなづくハクモ。
ハルカ「妹を巻き添えにするな!二人ともしっかりやりなさい!」
それにすかさず、ハルカの指図が入った。
ハクモ「はぁ……い。」
ハクモは、残念そうに答えながらも大人しく矢の回収作業にあたる。
それに対して、フェネアンはまだ屁理屈を続ける。
フェネアン「じゃあ……来ずにおサボりしてるツバサはどうなるの~?」
ハルカ「………来ない人の事は放っておいて貴女はちゃんとやりなさい……!」
 ハルカは、拳を握りしめてそう言った。仕事を断った犬猿の仲の妹の名に、内心爆発しそうになっていたのだ。
フェネアン「ちっ………。」
フェネアンは、ハルカの鬼面に舌打ちをしつつ、また適当に回収作業を続けるのであった。


《続く》

category: やみいろアルカディア

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やみいろアルカディア #23 

#23 天上院家の妹

前回のお話。
アルカ村に建つ教会。
シスター服を着た少女、ハルカは神に祈りを捧げていた。
しかし、堕天使フェネアンが馬鹿にしたような目で見る。
言い合いが始まり、フェネアンが信仰の馬鹿馬鹿しさを正当化しようと上げたのは、ハルカの妹の名なのであった……。


聖天上院教会。ハルカが神に祈りを捧げるこの教会で、神なんてどうでもいいと思っている奴がいた。フェネアンの他にも。
 自室で1人、何かを書き記している少女。
天上院翼(ツバサ)。教会を管理している天上院家の次女……なのだが。
髪は襟足を残したウルフカットに、見た者を呪いに陥れてしまうかのような真っ黒い囲い目メイク。そして、メイクと同じでまた黒い服。
 彼女が着ている黒いベストの襟は、レザーになっており、銀色のスタッズが光っている。身頃にも、ハーネスベルト風のレザー飾りがついている。
そんな悪魔や黒魔術を連想させる、ゴシックパンクファッションが彼女は好きだった。
神に対する信仰なんて、天使なんて、更には地獄や悪魔まで、彼女はどうでもいいと思っている。
 そのせいで、信仰的でストイックな性格のハルカとは犬猿の仲だ。
 その鬱憤を晴らすかのように、彼女のノートにはこう書いてあった。
『Ε月Θ日 今日も、邪教神ハルカジアスによる迫害を受けた。も、我が闇炎で追い払ってやった。』
彼女は、中二病も併発していた。
?「ツバサねぇー!」
突然ドアが開く。彼女の部屋に、真っ白いシスター服を着た真っ白い少女が入ってきた。
 天上院白雲(ハクモ)。ツバサより一回りも二回りも小さく、幼い身体で無邪気そうにツバサに抱きつく姿はまるで、天使のようだ。
ツバサ「……ハクモか。ドアくらいノックしろといつも言ってるじゃん。」
ひねくれた口調でそう言いつつも、ツバサはハクモの頭を優しく撫でた。
ハクモ「……ツバサねぇ、たいへん。」
ハクモが、顔を上げてツバサの顔を見つめた。
ツバサ「何。」
 ツバサが、いつも通りの冷たげな返事をする。
ハクモ「なんか、みんな背中に矢が刺さっていて、イチャイチャしてるの。それで、ハルカねぇが、今から、解決に行くから、ツバサねぇ、も手伝えってさ。」
ハクモは、ところどころ噛みながらべたっとした幼い口調で言った。
 しかし、ツバサが即答する。
ツバサ「……だが断る。誰が行くか。」
嫌悪感満載の返事だった。
ハクモ「でも、村を平和にしないと……。」
 ハクモは、おどおどした様子だ。
ツバサ「そんなのアイツらに任せときゃいいだろ。アイツと、しょうもない仕事するなんてまっぴらごめんだ。」
 断固拒否をするツバサ。
 ハクモは、少し間を取ってからうなづく。
ハクモ「……わかった。ハクは行ってくるから、ツバサねぇも、気が向いたら、こっそり来て、ね?」
ハクモは、ところどころ噛みながらそう言うと、部屋から立ち去った。
 ツバサは、部屋に誰もいなくなった事を確認すると、こう呟いた。
ツバサ「背中に矢が刺さってイチャイチャ……キューピッド、か。」


《続く》

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やみいろアルカディア #22 

#22 聖天上院教会(セント・テンジョウイン・チャーチ)

前回のお話。
リオレ荘では、リオレットがトオヤにデレて、ヒスイとトリックが相思相愛だった。
ヒスイとトリックがキスをしようとした瞬間……スイレンが、二人の背中に刺さっているものを抜き取る。
やはり、突然の熱愛の原因はキューピッドの矢だったようだ。
リオレットとトオヤについては、とりあえず放置しておこうということになったのであった。

アルカ村の、平野に建つ一軒の教会。
外装は屋根の上の十字架が教会というポイントになっており、外壁は白で全体的にはシンプルな造り。内装は、十字架や聖母などの描かれた、礼拝堂のステンドグラスはきらびやかだった。しかし、その他はそれをより際立たせるかのように、シンプルな造りだ。
 礼拝堂のステンドグラスの前で、お祈りをする修道着(シスター服)を着た一人の少女。
「“天にまします我らの父よ
  願わくは御名の尊まれんことを
  御国の来たらんことを
  御旨(みむね)の天に来たるる如く
  地にも行われんことを―――”」
彼女の名は、天上院大空(ハルカ)。この教会を管理している「天上院家」の三姉妹、その長女である。
 そこへ、白い衣を身に纏った天使がやってくる。
天使「またお祈りですか、ハルカ様。」
 天使は、そんな事下らないという言い種で、かがんでお祈りをしているハルカを見下ろしていた。
ハルカ「“―――我らを悪より救いたまえ……アーメン”」
ハルカは、祈祷文を読み終えると目を閉ざし、神に祈りをささげた。
その後。
ハルカ「ちょっと、フェネアン!」
 ハルカは、後ろで自分を見下ろしていた天使に向かって怒りの声を上げる。
フェネアン「なぁーに?」
 フェネアン、そう呼ばれる天使はとぼけた様子だった。
ハルカ「天使が神に対する祈りを、下らなさそうな目付きで見てどうするのよ!」
 ハルカは、フェネアンにビシッと指をさし、雷を落とした。
 しかし、フェネアンは反省気のない様子だ。
フェネアン「だってー。そんなの神に届くわけないし下らないじゃーん?」
ハルカ「大体、そんなのだから地に堕とされたのでしょ!?」
 フェネアン……彼女は、元々は天界に住まう一体の天使だった。しかし、与えられた役目を行わずサボってばかりいたので、怠け者の名と共に地に堕とされたのである。
フェネアン「怠け者の名を持つ天使にとってそんなのどーでもいいの。あなたの妹のツバサだって、神に対する信仰なんてさらさらどうでもいいと思ってるわよ。」
 フェネアンは、ニヤリと笑った。
ハルカ「あのバカ妹を例にあげて正当化するんじゃない……!」
 ハルカは、あのバカ妹のことを思うとイライラが募るのであった……。

《続く》

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やみいろアルカディア #21 

#21 リオレ荘のデレデレ騒動

前回のお話。
闇咲邸の外、腐れキューピッドのシャーリーはイタズラがうまくいって笑っていた。そこへ、リナが現れる。
リナが、悪巧みの誘いをかける。シャーリーも一度は躊躇したものの。
すぐに意気投合して悪巧み同盟が成立したのであった。


その頃、リオレ荘では。
リオレット「愛しの愛しのトオヤ様……。」
 リオレットは、デレデレな様子だ。相手の体に手を触れ、迫りついている。
 その被害者とは、トオヤ。
トオヤ「お前っ!?本当どうかしたのか!?」
リオレットからの突然の猛アプローチに、困惑している様子だ。
スイレン「マスター……。」
メイル「どうかしちゃってるね……。」
 スイレンとメイル、そしてフウは、哀れな目で見ていた。
フウ「よくよく考えるとこれってホモじゃない?」
メイル「あ、本当だ。そういえばヒスイもおかしい……。」
メイルの視線の先。
人目を気にせず抱き合っているのは、ヒスイとトリック。二人とも、かなり熱が入っている……。
ヒスイ「はぁっ、はぁっ、トリック……君が運命の相手だったんだ……。」
トリック「ヒスイも僕にとって……凄く好きな人……なのかなぁ……。」
 それを正常組のフウ、スイレン、メイルはまたも冷静な目で見ていた。
フウ「こっちは一見ホモだけど……。」
スイレン「……中身は普通にカップルよね。」
メイル「あぁっ!ヒスイ何やってるの!」 メイルが、声を上げる。ヒスイが、トリックにいつの間にか急接近していたのだ。
ヒスイ「んーっ……。」
トリック「うっ……ふぇっ!?」
顔をお互いに真っ赤に染めている二人。唇と唇の距離が、胸の鼓動と共に近づいてゆく……。
スイレン「……はっ!」
スイレンが、熱愛中の二人の前へ駆ける。
スイレン「目を覚ましなさいっ!」
そう言いながら、二人の背中に刺さっているものをひっこ抜いた。
ヒスイ「……はっ。」
トリック「……僕は……何を……ってんんっ!?」
正気になった二人。あまりの距離の近さに恥ずかしくなり、顔が赤くなる。
ヒスイ「僕は……何をしようとしていたんだ……。」
ヒスイが、そっとトリックから手を離す。
メイル「ヒスイーっ。どうなっちゃったかと思ったよ……。」
メイルが、ヒスイに抱きつく。
ヒスイ「悪かった……。」
ヒスイは、そう言いながらメイルの頭をそっと撫でた。
 それを見ていたフウとスイレン。
フウ「むしろこっちの方がカップル……?」
 フウは、首を傾けた。それに対してスイレンが、こう断言する。
スイレン「いや、これは兄妹愛だ。それよりこれは……キューピッドの矢じゃないかしら?」
フウは、スイレンが手に取っているハートの矢を見た。
フウ「形はいかにもそうだね……。本物だったとしたらこの村にキューピッドが?」
スイレン「そういうことになるわね。これは私の出番かしら。」
スイレンが、顎のラインに沿って指を構え、決め顔をした。
トリック「そうかなぁ……?僕はちょっと違う気もするな。まぁ、犯人は探さないと後々面倒になりそうだけど。」
決めポーズをするスイレンの後ろでは、トリックがニヤニヤと笑っていた。
フウ「あと……アレはどうしよう。」
フウが指さすアレ。指の先では、リオレットがトオヤにのし掛かり、壮絶なイチャイチャを繰り広げていた。
トリック「放っておこ?アレはアレで面白いし。」
フウ「そうだね。これ以上邪魔してもいけなさそうだし。」
スイレン「行きましょう。」
そうして、リオレットとトオヤを残しリビングには他に誰もいなくなった。
……一方の二人は。
リオレット「んっ。んちゅっ。んまんま……。」
 リオレットは、トオヤの顔面にキスしたり舐めまくったりと好き放題していた。
 トオヤは、抵抗する。
トオヤ「や、やめろよマジで!お前はキチガイか……いい加減にしないと殺すぞてめ……ぇ………!」
しかし、もがいているうちに段々と精気も失せていく。
そして彼は、男の娘の背中に刺さっている矢に気付かないまま、犠牲となるのであった……。


《続く》

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やみいろアルカディア #20 

#20 腐れキューピッド

前回のお話。
クロロは、ユウリにベタ惚れだった。ユウリは逆に、困惑していた。
そこへ、レナが入ってきて大激怒……修羅場かと思いきや。
アリシアが、クロロに刺さっていた矢を抜くと彼が正気に戻る。
それは形からして、キューピッドの矢だということが分かったのである……。

闇咲邸の外、住人達の様子を窓から覗く影……。
?「あーぁ、気付かれた……。けれどさっきのは面白かったわ……。」
クヒヒヒ……と、歯を見せて笑う少女。白とパステルの身軽なワンピース、巻き毛をツインテにした髪の根元には羽のついたハート。背中には、キューピッドを連想させるハートの弓矢。
 可憐な天使姿の少女の名前は、シャーリー。見た目の通りキューピッドである。彼女にとっての楽しみは、恋心を操る矢を放っては遊ぶことだ。
それが神の怒りにでも触れたようで、この地に落とされた。と、彼女は自覚をしているが、楽しくて治す気配などない。
そう、彼女は、人の運命を左右する矢で遊びもてなす。とんでもない腐れキューピッドなのである。
そんな彼女の前に、髪は白いが黒い翼の悪魔……リナが現れた。
リナ「あら、楽しそうね。」
シャーリー「ひっ……悪魔じゃない!」
シャーリーは、一応天使(キューピッド)らしく悪魔に構えた。
 そんなシャーリーを見たリナは、指を差しながらフフフと笑う。
リナ「悪魔?あなただって天使とは言えるかしら?羽が落とされているみたいだけど。」
シャーリー「なっ……。」
シャーリーは、自分の背中を見た。
切り落とされた白い翼の跡は、生々しくも残っている。
リナ「だから、私たちは同じでなくて同じような物よ。」
 リナが、シャーリーの背中を撫でる。
シャーリー「同じにするな!」
シャーリーはそう吠えながら、リナの手を振り払った。
その反応を見たリナは、フッ、と笑う。
リナ「面白いじゃない。そうだ、ここは私たちで手を組まない?どーせ神もあなたなんて見ていないんだから。」
一応は天使サイドのシャーリーに、黒き悪魔の誘いがかかる……。
シャーリーは、一応の天使の自覚が働いて躊躇する。が。
シャーリー「何々……それは面白そうじゃない……。」
 すぐに悪堕ちしたようで、不穏な笑みを浮かべる。
リナ「じゃあ契約成立ね……。」
シャーリー「クヒヒヒ……ッ。」
白と黒の悪巧み同盟が、今、ここに誕生したのであった。


《続く》

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やみいろアルカディア #19 

#19 ベタ惚れメイド

前回のお話。
ユウリの態度に激怒するフローラルロゼ。
ユウリは、面倒事には関わりたくないと空間魔法を唱える。
ブーケメロディや他の住人が心配する中、ユウリは「大丈夫」と言う。
その後、ブーケメロディも空間魔法で飛ばされた先のフローラルロゼは脳内お花畑状態だった。


 とある大陸の、忘れさられた地。
 主に、少年少女で構築された村『アルカ村』があった。
 村人は仲良く気ままに、毎日を過ごす……。
それはそんな村で、ある日突然起こった事件……。


 闇咲邸の昼下がり、リビングにて。
 ある住人とメイドは、二人きりだった。
クロロ「あぁ~。愛しのユウリ様ぁ………。どんなに猥褻な事でもお申し付け下さい私に出来る事ならば………。」
クロロは、ユウリの膝に頬をすりすりしていた。
ユウリ「クロロ……。目を覚ましてくれない?」
 彼の異常なベタ惚れに、困惑しているユウリ。
クロロ「私は十分、目を覚ましておりますにゃ……。」
エロスを効かせた甘いボイスで、まるで猫のように(彼は化け猫だが)媚びているクロロ。
そんなことも知らずに、レナがリビングに入ってくる。
レナ「ひっ……!」
レナは、それを見た瞬間に一歩引き下がった。
ユウリ「レナ、これは違う……!助けて……!」
ユウリは、助けを求める。
レナは、全身から黒いオーラを放出して立っていた。
レナ「ユウリ……クロロ………。これはどういう事なの……。」
 まるで、旦那が浮気をしていたかのようなセリフが流れる。
 ユウリの体からは、更に冷や汗が流れる。
 一方の、クロロはと言うと。
クロロ「あぁ……そんなに怒らなくてもいいかと……。にゃ………。」
そんな事はお構い無しに、デレデレしながらユウリの身体にベタベタしていた。
レナは、殺気を出しながらそれを睨んでいる。
ユウリ「本当に違う!俺は正気でクロロがおかしくなっただけなんだよ!」
ユウリが、必死に訴える。死亡フラグを背後につけながら。
 クロロが、ユウリの耳元に顔を近づける。
クロロ「何を言ってらっしゃいますのにゃ………。私は正気……」
その時だった。クロロの動きがぴたっと止まる。
アリシア「何だろうこの矢は……。」
アリシアが、クロロの前に立っていた。手には先端がハートの矢を持ち、それを見つめている。
ユウリ「アリシア、いつの間にいた?って、なんかイラストで見るような矢だ……。」
アリシア「うん。キューピッドの矢かしら?」
 アリシアにも、それはよく分かった。
レナ「本物………。」
さっきまで怒りに満ちていたレナもこちらにやって来て、その矢を見つめる……。
クロロ「どうかなされましたかにゃ?」
正気に戻ったクロロが、たずねてきた。
レナ「クロロの背中に、キューピッドの矢が刺さっていたみたい。」
クロロ「にゃっ!?私の背中にですか!?」
さっきまでの事を覚えていないのか。すっかり落ち着いたレナの言うことに、驚いているクロロ。
アリシア「キューピッドがこの村にいると言うことなのかな……。」
アリシアは、想像を脳内で巡らせた。


《続く》

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Vierge♀Cendeillion~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~ #40 

#40 二人のすれ違い

前回のお話。
リリウムとグレンは、ルナリア上空を飛んでいた。
街中を低空飛行して暴走していると。
保安局(警察的なもの)の追尾。そこにはジグマとチルリータも!
ジグマが愛の言葉を放つも、リリウムが逆上し、彼女とグレンは空の彼方へと消えたのであった……。


~バベル塔~

 二人は、バベル塔に逃げ帰っていた。
リリウム「ふぅ……。危なかったの……。」
ルナリアから離れた天空の塔で、すっかりとくつろいでいるリリウム。
グレン「でも、大丈夫なのか?あんなことして……。」
グレンは、気がかりだった。あのまま逃げたけれど、それで良かったのか。リリウムがジグマと仲違いしてしまったようだが、それは大丈夫なのか。
リリウム「別にいいの。りりを縛りつけてばっかのあんな奴なんて知らないの。」
それをよそにリリウムは、奔放だった。グレン「………………。」


~Vierge♀Cendeillion ギルド内~

ジグマ「ったく……リリィの奴何だよ本当……。」
 ジグマは、頭を抱えていた。いつもは穏やかな口調も、きつい感じになっている。
みお「ジグマ……さっきから不機嫌だね。」
 いつも、ジグマをおちょくって遊んでいるみお。相当イライラしている様子の彼を見て察しているようで、今は手を出す気にならなかった。
リン「ジグにゃも相当、りりしゃの事気にかけてたからね……。」
エメラルド「話は聞いたが、あんな態度取られたら俺だってムカつくわ……。」
ギルドメンバー達は、ギルマスのあまりにも自分勝手で行き過ぎた所に正直呆れていた。
モモ「はぁ……グレン……。なんであんな馬鹿みたいな子に……。」
モモは、ソファーに腰かけてため息をついている。
 隣では、あいめろ。が猫のようにぐでっと寝転んでいた。
あいめろ。「さっきの事……やっぱり気になるの?」
モモ「……ほっといてよ。」
 モモは、すねたような態度を取った。
あいめろ。「うん……。」
あいめろ。も、これ以上は口を出さなかった。
 リオンが、一枚のカードを引いた。
リオン「“塔”……か。あちゃー……これはまずいことになるかもな。」
黒猫魔「そうですね。二人の仲が治るといいけどにゃ……。」


~再びバベル塔~

リリウム「…………。」
 リリウムは、塔からルナリアの方角を見つめていた。
 グレンが、リリウムの背中を撫でる。
グレン「やっぱり、気になるのかな。」
リリウム「別に気にならないもん。りりをいつも縛りつけるのが悪いの。りりだって、ちゃんと大人しくしているつもりなのに。何かあったら、いつも「やめなさいっ!」ってさ。」
 リリウムが、ジグマに対する不満をたらす。
グレン「そうか……。けど俺は、リリウム様は元気で無邪気で可愛い女の子だと思うよ?」
リリウム「……そうなのー?」
 リリウムが、首を傾げた。
グレン「ちょっと、イタズラが過ぎてるだけかな?」
グレンは、そう言いながらそっとリリウムの服を脱がしていく……。
リリウム「………何してるの?」
 リリウムが、普通に冷たい目線をグレンに突き刺しながら言った。
グレン「いや、んーと………!」
あいまいな答えを出しつつ、リリウムに迫るグレンの顔……。
リリウム「グレンっ……?ちょっと……!」
 リリウムは、顔を赤く染めていた。


《続く》

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