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箱庭の図書室

Vierge♀Cendrillon連載中!

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Vierge♀Cendeillion~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~ #38 

#38 モモの用件

前回のお話。
グレンの件があって以来、ギルドにクエストも来ずにみんな暇になっていた。※グレンが悪い訳ではない
そんな中、ギルドにある娘がやって来た。
それは、ルナリアで名高いお嬢様、モモだった。


エメラルド「モモ様……か。で、うちのバカ兎とは違って整った身なりをしたお嬢様が1人で、何の用だ?」
エメラルドは、ギルマスの悪口を交えつつ用件を訪ねる。
?A「1人じゃないやい……」
モモの右側には、いじけたような声で、頼りない構えを見せるヨレヨレの男。
?B「僕もいるよ。にゃあ」
 左側には、このギルドでいうリンのような雰囲気を醸し出している可愛らしい猫耳少女(?)がいた。
エメラルド「すまんすまん。」
アムロ「モモ様のボディーガードのアムロと言うんじゃい。ぐふぉあっ。」
アムロは、突然目の前で吐血した。
エリィ「きゃあっ!?大丈夫ですか!?」
エメラルド「お前、魔兎ウィルスにかかっているのか!?」
エリィとエメラルドは、当然驚く。
アムロ「魔兎ウィルス?……かかってないもん。」
アムロは、またいじけた。
エリィ「とりあえず、お部屋あるので休んでいって下さい……。」
アムロ「別に大丈夫やい。………」
 と、いいながらもエリィに連れられてギルドの奥に入っていくアムロなのであった……。
あいめろ。「まぁ、いつものことだけど。僕はモモ様のペットのあいめろ。と申しますのにゃ。」
あいめろ。が、おじぎをぺこりとする。
エメラルド「あいめろ。……そう言えば久しぶりだな。」
あいめろ。「エメでしょ?久しぶりー。」
二人は、お互いの再会に微笑みを見せた。
 質問を投げかけられたのはモモだったはずなのに、いつの間にか彼女が話の輪から置いていかれている。
モモは、置いてけぼりにされたことに不満を感じていた。
モモ「でー。私の目的はーっ。」
モモが、気づいてもらおうと大声で言う。
 エメラルドが彼女に気付き、慌てて姿勢を正した。
エメラルド「はっ。悪い!失礼しましたっ。ところで用は何だ?」
モモ「グレンって男に用があるんだけど……。」
エメラルド「グレン……ってうちの新入りにか?そいつとうちのギルマスなら今外出中だぞ?」
それを聞いたモモは、くっ、と歯を噛み締めた。


《続く》
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category: Vierge♀Cendeillion~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~

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Vierge♀Cendeillion~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~ #37 

#37 ぐでヴィエ

前回のお話。
ギルドの屋根が割れてメンバー達が帰ってくる……
と、エリィの背後にドラゴン(グレン)が現れ大パニック!
最後は、グレンがちゃんと自己紹介をし、ギルドに新しいメンバーが加わったのであった。
チルリータやシシャモはただ、それを遠目で見ていた……。


今日も楽しい闇堕ちギルド、『Vierge♀Cendeillion』。
 新メンバーも加わり、ますます勢を増すと思いきや……。
エリィ「うん……ここ数日全くクエスト来てませんね……。」
エメラルド「そうか……。」
 クエスト掲示板には、情報が無く。
リオレット「そろそろ暇になって来たな~。」
賭け師「じゃあ、みんなで出かけるか?」ジグマ「それもダルい……昨日も一昨日も出かけたじゃん。」
みお「もろこしパフェ食べたい……。」
リン「うにゃあ……。」
ソファーにはまるで殻から出した卵の様に、ぐでっともたれかかるメンバー達。
リオン「うん、この状況がもうしばらく続くかもしれないな。」
黒猫魔「運気も宜しくないようですにゃ。」
リオンの占いでさえ、運気が低迷していた。
銀月「よし、こんな時はギルマスっ!……って何処に行っているんよ……はぁ……。」
例のギルドマスターは、不在のようだった。
エメラルド「tkみんな、クエスト求めて情報収集とかしないのか?」
 エメラルドが、積極的な提案を持ちかける。
 それに対して、他のメンバー達は。
ジグマ「なんかそれもダルい~。………」
みお「他のギルド逝く気もしねぇええ……。」
リン「うにゃー。………」
……完全にダレていた。
エメラルド「おいおい………。」
 エメラルドは、やれやれ、とため息をつく。
 ベルベットが、巨大なパフェを持ってきた。
ベルベット「ほれ、特製テラ盛りパフェだ。食ったらいい加減元気出せよ……。」
そのパフェを、ぐでっとしているメンバー達の元に置く。そして彼女は、また自分の仕事場へと戻っていった。
エメラルド「ベルベットはいつもよく働くよな……。」
エリィ「クエストの数には関係無く、お腹は空くしご飯はいりますからね……。」
比較的動いている様子のエリィとエメラルド。しかし彼らの仕事が無く、正直退屈していた。
エメラルド「……この際さ、リリィ並みに迷惑な客でもいいから来てくれ。」
エメラルドが、冗談半分で呟く。
その時だった。
?「あの……ヴィエルジェ?センダイ?イリオン?ってここかしら?」
ギルド名が全然読めない様子でギルドにやって来たのは、いかにもお嬢様という感じの娘だった。
 頭には、大きなリボンのついたつばの広い麦わら帽子。風になびく、ピンクの長い髪。リボンやレースで程よく装飾された、上品なピンクのワンピース。とても可愛らしい出で立ちだ。
エメラルド「ヴィエルジュサンドリオン。一応こう読むのが正解な。」
エメラルドは、娘に言った。
娘「ヴィエルジュサンドリオン……。また読みにくい名前ね。」
エメラルド「(このお嬢様、大丈夫かな……)」
ファンタジー世界において、某言語(しかも同じ言語)を組み合わせた造語が分からないお嬢様に、エメラルドは心配をした。
時だった。
娘「……聞いただけなんだけどね。読み方なんてとっくに分かっているわ。」
娘は、哀れな目でエメラルドを見た。
エメラルドに、精神的なダメージ!
エメラルド「なら何故聞いたし……」
娘「それにしても誰もこの私を見て何も感じないのね。皆様、ルナリアに来たばかりかしら?」
エメラルド「そうでも無いメンバーも多数いる気が……。ってみんな死んでるしっ!?」
ソファーでへたばっている大多数のメンバーは、まるで魂が抜けたようになっていた。
エリィ「はい、モモ様ですね。かのサランヴァーノ家のお嬢様、モモ・ケトレ・サランヴァーノ様。」
 エリィが、淡々と言った。
モモ「そうよ。私があのモモよ。」
 モモは、強気な表情と手を腰に当てるポーズでキメた。


《続く》

category: Vierge♀Cendeillion~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~

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やみいろアルカディア #17 

#17 妖精と闇咲邸の仲間たち

前回のお話。
闇咲邸の庭には、妖精フローラルロゼが住み着いていた。
いつものように香水を作っていたフローラルロゼ。彼女のもとに親友のブーケメロディが現れる。
二人で話をしている最中。突如家に何かがぶつかってきた。
二人は、外の様子を見に行く……

その頃、闇咲邸の連中は家のすぐ外にいた。
アリシア「出てこい魔弾……ッ。」
アリシアが、腕に力を込める。
ユウリ「頑張れっ!君なら出来るっ!」
ユウリがアリシアの前で、応援する……も、何も出てくる気配がない。
そのまましばらくして。アリシアは疲れ、その行為を止めてしまった。
アリシア「やっぱりさすがに魔法はすぐに使えないか……。」
 アリシアは、残念そうに言った。
レナ「そうね……。元々人間って魔力とは遠い存在だしねっ。」
 そう軽々しく言うのは悪魔の妹、レナ。
レイナ「まぁ、やりたい時にゆっくりやっていけばいいんじゃない?ユウリみたいに、すぐに使えるのは異例だから……。」
アリシアの背中をさすりながら言うのは人魔の姉、レイナ。
アリシア「……うんっ。ゆっくり頑張るよ!」
 アリシアは、うなづいて前を向いた。
レイナ「しかし、アリシアも魔法覚えたいっていうのはさすがに驚いたよ……。まぁ、私もあこがれていたけどね。」
アリシア「レイナは、どうやって魔法を覚えたの?」
レイナ「今は詳しく言えないけど……まぁ、ふとした事でかな。こっち来たのも。」 レイナは、少し鬱気な笑みを見せた。
その時だった。
?A「くらぁぁぁああっ!!私のマイホームに何かぶつけてきたのは誰よ!」
どこかから、甲高い怒鳴り声が聞こえる。
アリシア達は、どこから聞こえたのかと、辺りをきょろきょろ見渡す。
?B「ここよー?ここー。」
今度は、おっとりした様子の声が聞こえた。
レナ「あ、妖精さんみーつけたっ!」
レナが指差す先に、辺りを見渡してた者が集合する。
そこには、小さな妖精が二体いた。片方はピンクっぽくて怒り表情、もう片方は白くおっとり表情で宙を漂っている。
 ユウリが、それを見て言う。
ユウリ「………お前ら誰?」
妖精A「………。ムキィイイイイイイイイッ!!」
それを聞いたピンクの妖精。拳に力を込めてぶちギレる。
 白い妖精は、ニコッとして言う。
ブーケメロディ「忘れたのですかー。しょうがないなぁ。私はブーケメロディよー。で、隣のハンニャ(=般若)がフローラルロゼなのー。」
フローラルロゼ「誰がハンニャよっ!」
更にキレるフローラルロゼ。周りは、確かに般若の形相だと頷いていた。
 フローラルロゼが、改めて本題を持ちかける。
フローラルロゼ「でさ……。誰よ。私の家に何かぶつけてきたのは。」
それを聞いた、闇咲邸の住人たちはお互いに指をさす。
多数決で一番多かったのは……ユウリだった。
ユウリ「え、やってないぞ俺は!?」
ユウリは、首を横に振った。しかし周りの視線が、嘘を見破るかのようにユウリを見つめていた。
当然、フローラルロゼは疑う余地も無く。
フローラルロゼ「あなたなのね………!」
ユウリを睨んでいた。
 ユウリは、フローラルロゼから視線を遠ざける。
ユウリ「だってさー。たまたま魔弾をランダムに空間転移させてさー。当たった所がさー。お前の家だなんて知る余地無いんだもーん。」
アリシア「いや、あれは意図的だったでしょ……」
 言い訳するユウリに、呆れた様子のアリシアと他の闇咲邸住人。

***


 と、いうのもそれは十数分前のこと。
闇咲邸の連中は、魔弾を作って遊んでいた。
レイナ「それっ……!」
レイナが、手に力を込める。すると、黒紫色に輝く玉が手の間に出来た。
 アリシアは、目を輝かせていた。
アリシア「わぁ……すごい……。」
 そこへユウリが、これはまだまだと言うように、人差し指を立てて入ってきた。
ユウリ「それだけじゃないぞ?それっ。」
ユウリは、ひょいっと水色に光る弾を手のひらの上に浮かべた。次に、もう片方の手を伸ばしてワープホールを呼び出した。
アリシアは、マジックを見物するように一点を見ていた。
ユウリ「これを、この中にぶちこみますっと。」
ユウリはそう言い、魔弾をワープホールに入れた。
その瞬間、庭園の方で何かが光った。
アリシア「えっ?何!?」
 アリシアは、庭園に向かおうとした。
 ユウリが、それを引き止める。
ユウリ「さーてと、これで面白いものが見れるでしょうかね……。」
彼は、ニヤニヤと笑っていた。

***

《続く》

category: やみいろアルカディア

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やみいろアルカディア #16 

#16 闇咲邸の庭に住まいし妖精

前回のお話。
アリシアを襲おうとする吸血鬼チャコ。
そこに弟、チャオが現れ十字架で鎮圧。
吸血鬼の特性が強いチャコと、弱いチャオ。
チャコは、チャオに鎮圧された上、
アリシアにも脅しをかけられ、アリシア襲撃を諦める。
二体の吸血鬼は、退散するのであった。


~闇咲邸 フローラルガーデン~
闇咲邸にある、花が咲き誇る庭。
そこに植えられている低木の一角に、一匹の妖精が暮らしていた。
彼女の名前は、フローラルロゼ。鮮やかなピンクの髪をポニーテールにし、体は華やかな花のドレスで着飾っている。
今日も彼女は、趣味の香水作りを楽しんでいた。
フローラルロゼ「さて、と。これとこれをこの瓶に入れて混ぜて……。」
瓶に桃色と青紫色の香水を入れる時、部屋全体にまた一段と甘い香りが漂う。
二つをそっと瓶に入れて混ぜていると液体は紫ピンクになり、さっきとはまた違う香りが漂った。
 フローラルロゼは調合した香りを嗅ぎ、出来映えを確かめる。
フローラルロゼ「んん……っ。今日も良いものが作れたわ。」
彼女は、香水の出来映えにご機嫌になる。
それが、彼女の日常の主な内容であった。
?「フロゼー!来たよぉー!」
外から、甲高い声が聞こえる。
フローラルロゼ「ブーケ?入ってきてー。」
フローラルロゼが玄関に向かって言うと、大きな花(自分たちの身体に対して)を持った妖精が入ってきた。
彼女の名前は、ブーケメロディ。フローラルロゼにはブーケと言う愛称で呼ばれている。白いドレスとベールを見に纏い、赤髪が似合う可愛らしい顔をニコニコさせている。
ブーケメロディ「フロゼ、お花持ってきたよ?」
ブーケメロディは、そう言ってフローラルロゼに花を差し出す。
 フローラルロゼは、花を手に取り見る。
フローラルロゼ「おっ。これは使えるっ。今日もありがと。」
ブーケメロディ「うふふっ。そう言えば、最近闇咲邸に新しい子が入ったみたいなの、知ってる?」
 ブーケメロディは、目をくりくりさせていた。
フローラルロゼ「ふーん、知らないわ。」
フローラルロゼは、興味無さげに言った。
彼女にとっては、外の事なんてどうでも良かった。美しい花や庭と、身の回りの平穏さえあれば。
ブーケメロディ「フロゼは本当、相変わらずね。外の世界も楽しいのになぁ。」
ブーケメロディは、もったいない、と思った。
フローラルロゼ「私は今のままでいいの。この庭と、今の平穏な日々があればね。」
フローラルロゼは、香水瓶のフタを閉めながら言い訳をする。
ブーケメロディは、「はぁ……っ」と、ため息をついた。
 その時。
突然、部屋中に大きな振動がした。
 突然のことに、びっくりする二人。
フローラルロゼ「っ!何なのよっ!」
 何事だ、とフローラルロゼ。
ブーケメロディ「どうしたのー?」
 それをブーケメロディは、ぽわわんとした様子で伺った。
フローラルロゼ「どうしたのー?じゃないわよ!文句言いに行ってやるわ……!」
フローラルロゼは、イライラした様子で外に出る。
ブーケメロディ「あ、待ってー!」
ブーケメロディも、すぐに後を追いかけた。


《続く》

category: やみいろアルカディア

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Vierge♀Cendeillion~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~ #36 

#36 新メンバーグレン

前回のお話。
リリウムとグレンは、ドラグネ山脈に向かっていた四人をキャッチし、ルナリアに向かった。
四人は、ギルドの真上から落とされて墜落する。
ギルドの建物内でくつろいでいたギルドメンバー達。屋根を突き破ってきた四人に驚くのであった。


エリィ「リリウム様!?」
エリィは、後ろを振り向く。
そこにはやっぱり、リリウムがいた。
しかし、すぐ後ろには……。
エリィ「ドドドドドドドド……ドラゴンぅうーっ!?」
 エリィは、腰を抜かした。
玄関のドアから、青いドラゴンの首が覗きこんでいたのだ。
銀月「そのドラゴンはどうした、りりしゃっ!」
リリウム「新しいギルドメンバーなのー。」
驚いて口が開いているメンバー達。リリウムは、それに向かって奔放な笑みを見せていた。
 ドラゴンは、人の姿になる。銀髪で、白衣を纏った若い男の姿に……。
グレン「新メンバーのグレンです。よろしくお願いします。」
そして、ギルドメンバー達に、ぺこりとお辞儀をした。
その場にいた全員が、グレンを見る。
少しの間、お互い見つめあいの沈黙状態になった。
ジグマ「新メンバーだったんだ。なんだっ。」
エメラルド「これからよろしくな!」
エリィ「私は、このギルドの受付嬢、エリィと申します。よろしくお願いしますね♪」
ギルドメンバー達は、グレンを温かく受け入れた。
グレン「こちらこそ、よろしく。」
屋根は壊れどそこは、和やかなムードが流れていた。
こうして、ルナリアの破天荒ギルド『Vierge♀Cendeillion』に、新しいメンバーが加わったのであった。
それを遠目で見ているのは、シシャモとチルリータ。
チルリータ「ふぅ……っ。」
チルリータが、深いため息をつく。
シシャモ「やっぱり、あのドラゴンを先に取られて悔しいか?」
 シシャモが、チルリータの肩に手をあてて言った。
チルリータ「まぁ……しょうがないわ。グレンは、あのただ者ではなさそうな娘を選んだみたいだし。」
シシャモ「そうか。残念だったな。」
二人の瞳は羨ましそうに、楽しそうに笑っているグレンと『Vierge♀Cendeillion』ギルドメンバー達を見つめていた。
 そして、二人は静かにギルドから立ち去るのであった。


《続く》

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やみいろアルカディア #15 

#15 吸血鬼チャコ&チャオ

前回のお話。
アリシアは眠れなかった。
そこへ、チャコがやって来る。
チャコはアリシアを襲おうとするが、十字架にやられる。
そしてやって来たのは……チャコの知り合いらしきお兄さんだった。

チャコ「チャオ……!」
 チャオと呼ばれる少年は、やれやれとため息をつく。
チャオ「全く……。人襲いたいのは分かるけど……。」
チャコ「もっと人間の血液が欲しいのよ……。種族特性の弱いあなたには分からないでしょーけどぉ……!」
チャコは、胸にズキズキと突き刺さる苦しみを必死でこらえている。

アリシア「さっきから思ってたんだけど……人間の血液って。もしかしてあなたたち、吸血鬼?」
アリシアは、二人を見てたずねた。
 二人とも、よく見ると尖った牙が生えていて、耳も尖っていて、目は光り、こうもり羽が生えている。
チャコ「そうよ……!だから人間の血液が欲しいの………!」
そう主張するチャコと、
チャオ「姉のチャコは、吸血鬼の血が濃くてね。むやみに人を襲おうとするから怖いんだ。」
 そう、冷静にいい放つチャオ。
アリシア「へぇ……。吸血鬼……。じゃあニンニクとか聖水とかは?」
 アリシアは、面白半分に聞いてみた。
チャコ「ここここここここ怖いこと言わないでよ……!」
 チャコは、冷や汗を流した。
チャオ「僕は別に多少大丈夫だけどね。姉はもう聞くだけでもがくから、あまり言わない方がいいよ?」
アリシア「なるほど……。」
チャオの話を聞いて、アリシアは黒いことを考える。

***

 昼間のこと。
 ユウリが突然、アリシアにこんな質問を投げかけた。
ユウリ「アリシアー。非力な奴でも権力を握る方法知ってる?」
アリシア「何?」
 そんな方法、厳しい教養にただ従うことを強いられてきたアリシアが知っている訳がなかった。
 ユウリは、フッと笑う。
ユウリ「相手の弱みを掴む。そして、悪用し、自分の思い通りにしてやる。それが第一歩なんだよ。」


***

ユウリが、昼間に教えてくれた「勝つためのアドバイス」を……。
アリシアは、(人生初?)の黒い笑みをチャコに向けて浮かべた。
 そして、吸血鬼の弱みを切り出す。
アリシア「なんなら、食料庫からニンニク取ってこようかなー。」
チャコ「ちょっと、アリシアもそんな怖いこと言わないでよ!………」
 効果は、ばつぐんだ。チャコは見事に怯えている。
その隣でチャオが、ハハハ、と笑っていた。
チャオ「と、いうことでむやみやたらに人を襲うのはやめることだな。チャコお嬢様。」
チャコは、皮肉を言われた気分だった。
 まだ抵抗する気はあったものの、これ以上やったら更に痛めつけられてしまう。そう思った。
チャコ「分かった……。」
チャコは、不満そうにも弱々しい声で言った。
 すっかり床にへたばり、諦めた様子のチャコ。そんな彼女にチャオが手を差しのべる。
チャオ「さぁ、行くよ。」
チャコ「うん……。」
チャコは、差しのべられた手を取りよろよろと立ち上がった。
二人は窓枠によじ登り、腰かける。
 そして、アリシアの方を振り向いた。
チャオ「うちの姉が、本当にお騒がせ致しました。」
チャコ「アリシアー……バイバイ……。」
二人は、翼を広げ闇空へと飛び立っていった。
 二人が闇夜に消えた後。アリシアは、窓の外をただ見つめていた。


《続く》

category: やみいろアルカディア

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