箱庭の図書室

Vierge♀Cendrillon連載中!

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Vierge♀Cendeillion~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~ #35 

#35 リリウムと飛竜と足元と

前回のお話。
なんやかんやでグレンは、リリウムの手下となった。
一方で、ドラグネ山脈を進むパーティ。
すると突然、チルリータがいう例のドラゴンに捕まえられる。
空を飛ぶドラゴン、操っていたのはあの魔兎だった……。

~ルナリア近辺 上空~
リリウム「見事に捕まえてるのー。ナイスキャッチグレンー。」
 リリウムは、下から声がすること、そして人を捕まえていることを確認した。
グレン「このくらい朝飯前さ。」
グレンは、ドラゴンの姿で飛びながらそう言った。
リリウム「じゃぁーっ。一気にルナリアへ乗り込むのーっ!」
リリウムは、触手を手綱のように引いてグレンに指示を与えた。
グレン「あいよっ。」
グレンは、スピードを上げた。まるで、隼のように。
一方、足元では。
チルリータ「きゃあっ!!」
ジグマ「ぬぁっ!?リリィ!!スピード上げすぎ!!」
エメラルド「やっぱりこの魔兎無茶しやがって!!」
 嵐が吹いた時のように流れる風の量に、もがいていた。
シシャモ「ふぅ……風が気持ちいいな。」
シシャモだけは、別として。
 気がついた頃には、ルナリアの街並みが足元に見えていた。
ジグマ「なるほど、俺たちをルナリアまで送ってくれたってことか。」
チルリータ「…………。」
チルリータは、うつむいて黙っている。
 シシャモが、様子を伺う。
シシャモ「どうした?さっきから。」
チルリータ「いや、何でもないわ……。」
そう答えるチルリータの目は、どこか哀しげで残念そうな様子だった。
その時。四人の背中から、ドラゴンの足が掴んでいる感覚が無くなった。
エメラルド「なぁ、これ、フラグ立ったよな。」
シシャモ「な。」
「うわぁあああああ、あ、あ、あ、ぁああああああああーーーっ!」
四人は叫びながら、垂直落下していった。

~Vierge♀Cendeillion ギルド~
 エリィは、一仕事終わってのんびりしていた。
エリィ「ふぅ……りんごあめ茶美味しいですね……。」
リン「美味しいでしょ?」
リンもその横で、くつろいでいた。
リオン「何か落ちてくるぞ。」
リオンが、突発的に言った。
エリィ「?」
リン「?」
その時だった。
「うわぁぁああああああ!!!!」
屋根を突き破って、何かが落ちてきた!
 突然目の前に落ちてきたモノに、予言していたリオン以外のメンバー達は驚く。
エリィ「なっ、何事ですかーーー!」
 まるで、●ンクの叫びのような顔芸を見せるエリィ。
黒猫魔「突然隕石でも降ってきたかにゃ!」
 驚きすぎて、でしゃばる黒猫魔。
 リンは、落下地点を覗き込む。
リン「えめに……じぐまに……ししゃもに……ちるりーた?」
そう、降ってきたのはドラグネ山脈に行っていたあの四人だったのだ。
エメラルド「ただ……いま……イデデ。」
ジグマ「リリィがドラゴンで襲いかかってきて……ここに落としてきた………イダァッ!」
チルリータ「どーいう……つもりよ………!っ………!」
 落下の衝撃で、身体を痛めている様子の四人。
シシャモ「俺はちゃんと着地したがな。」
もとい、何気ない顔で立っているシシャモは除いて。
銀月「さすがは……りりしゃ。でも屋根はどうするんだろうね……。」
エリィ「修理費が高くつきそうです……。」
屋根の心配もするメンバー達。屋根の穴あきからは、外の光も射し込んでいた。
リリウム「ウケケケッ………!」
リリウムの笑い声が、すぐそばでした。


《続く》
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category: Vierge♀Cendeillion~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~

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Vierge♀Cendeillion~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~ #34 

#34 飛竜

前回のお話。
チルリータ、ジグマ、エメラルド、シシャモはドラグネ山脈を進み、なんとか休憩所に到着する。
一方、バベル塔では。
リリウムが記憶を取り戻した。
そして、リリウムの腕に刻まれている刻印を見たグレンは、突然服従の意を表しだして……?


服従体制を取っているグレン。
リリウム「……は?突然何。馬鹿なの?死ぬの?」
リリウムは、きょとんとした。
グレン「死なない。俺も契約しようという気は無かったのに、何故か勝手に契約されているんだ。これは本当だ。」
 グレンは頭を上げて、そう言った。
リリウム「りりも契約した覚えは全くないの。でも………」
リリウムは、ニヤリと笑った。アゴを上げて見下した目で。
リリウム「どうせなら、りりの手下になるの……!」


~ドラグネ山脈~

チルリータを筆頭に、ジグマ、エメラルド、シシャモは休憩を終え、また歩き出していた。
チルリータが、向こうから何か飛んでくるのを確認する。
チルリータ「例のドラゴンだわ!」
それは、チルリータが目的としていたあのドラゴンだった。その身体は青く巨大、空を舞っている姿は雄大である。
 そいつが、こちらに向かって飛んでくる。
エメラルド「なんか、こっちへ向かってきてるんだが。」
ジグマ「これってまさかの……。」
 ジグマとエメラルドの中では、フラグが建っていた。
 その横で、逆に燃えているチルリータ。
チルリータ「次こそ捕まえてやるわよ!かかってきなさい!」
武器を構え、やり合う気満々だった。
その時だった。
チルリータ「きゃあっ!」
ジグマ「なぬっ!」
エメラルド「なっ!」
シシャモ「おっ。」
ドラゴンの足に掴まれ、地上から離されていく。
チルリータ「今度は私たちを上空から落として大怪我を負わせるつもりね……。」
 チルリータは、今まで散々やられたことについて思い浮かべていた。
そして、また今度もやられたかと思った。
彼女は、最期さえも浮かべていた。
 シシャモは、目を閉じた。
シシャモ「……死んだな。でも、方向的にはこいつ、ルナリアに向かっているように見えるが。」
 そう呟いた後にシシャモは、また目を開ける。そして、上を向く。
チルリータ「言われてみれば本当……。」 チルリータも、ドラゴンの向かっている方向を確認した。
シシャモ「お前ら下ばっか見てないでさ、上を見てみろよ。馬鹿みたいな事が起きてるぜ。」
シシャモに言われるがまま、3人は上を向く。
ドラゴンの上、見覚えのある触手が綱のように伸びている……。
ジグマ「あの触手……リリィ?」
 ジグマには、すぐに分かった。
 シシャモは、すでに分かっていた。
あの操っていたもの。ドラゴンを操っているのは、そう。あの魔兎だと言うことを……。


《続く》

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やみいろアルカディア #14 

#14 夜と吸血鬼


前回のお話。
リビングでは、リナとレナが喧嘩していた。
理由は、リナがレイナを奪おうとするから。
リナは、レイナをお姉様と慕いべったり。アリシアもたぶらかされそうになり……。
レナがそれに口を出すと更に喧嘩は過熱。
アリシアの怒鳴り付けにより、リナが退散することとなった……。


夜、アリシアは自分の部屋でひとり、窓から空を眺めていた。
やっと慣れてきた闇咲邸での生活。毎日楽しく遊んで、美味しいものをいっぱい食べて。彼女にとっては楽しかったものの、どこか不思議な感情に苛まれてここ最近は毎晩眠れないようだ。
アリシア「はぁ………。」
アリシアは、深いため息をついた。どこか儚げな様子で……。
?「アンタ、何か物鬱げそうね。」
 闇の中から、声が聞こえた。アリシアは、辺りをきょろきょろと見渡す。
アリシア「誰?」
?「いいわ、出てきてあげる。」
声が聞こえた後、アリシアの肩を何かが、とんとんと叩く。
アリシアは、後ろを振り向く。そこには、金髪ツインテールのお姉さんがいた。
お姉さん「やぁっ。」
アリシア「こんばんは。でもその服……まだ春なのに寒くないの?」
まだ真夏でもないというのに、レザーのコルセットスカート。一言で言い表すと、(例え真夏だろうが)まさしく露出狂である。
お姉さん「オシャレを気にする人なら、全然大丈夫よ。私、チャコって言うの。そっちは?」
アリシア「アリシアです。」
チャコ「可愛い顔に続いて可愛い名前だねぇ……食べてしまいたいわ。」
チャコは、ヨダレを垂らしていた。
アリシア「あの、大丈夫……?」
チャコ「えぇ、大丈夫よ……。」
チャコのヨダレが止まらない。真っ赤な目も、これから捕食するかのようにアリシアを捉えている。
アリシアは、危機を感じた。
アリシア「ちょっと私、お手洗いに行きたいな………っと。」
アリシアは、チャコの元を離れようとする。
 チャコが、アリシアの腕を掴む。
チャコ「………行かせない。」
そのまま、アリシアの腕を引っ張り身体を引き寄せる。
アリシア「きゃっ!?」
アリシアは、チャコに抱かれて身動きがとれない。
チャコは、目を閉じて口を開けた。そして、アリシアの首筋にそれを近付ける……。
アリシア「んっ……!」
アリシアの首筋に、舌の感触がぬめぬめっとする。左右にこしょこしょと動き、くすぐったさを生じさせる。
アリシア「やめてっ……くすぐったいっ……。」
チャコは、アリシアの首筋をぺろぺろと舐め続ける。
そして、噛みつこうとする次の瞬間だった。
チャコ「あああぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?」
チャコがアリシアを手放し、そのままうずくまっる。
アリシア「何っ!?」
アリシアも驚いて、辺りを見渡す。
もう一度振り返った部屋の先には、チャコと同じ年くらいのお兄さんがいた。
その手には、大きな十字架。
お兄さん「うちのチャコがすまない。」



《続く》

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やみいろアルカディア #13 

#13 女悪魔リナ登場


前回のお話。
アリシアは、昨晩のレナのことが忘れられなく、レイナに相談する。
アレは本当だったがあまり気にしないよう言われるも、アリシアはやっぱり気になるのであった。
そして、リビングに戻ると闇咲邸の面子が構えていた。
その視線の先には、女悪魔がいた……。


 リビングに、何故か戦漂が漂う。
 その中で、特にピリピリした空気を漂わせていたのは……レナだった。
レナ「また来たの!?いい加減にして!」
レナの甲高い声が、女悪魔に向かって一段と響く。
女悪魔は、ふん、と鼻息を荒げる。
女悪魔「分かってないのはそっちでしょ?早くお姉様を渡してくれればいいだけよ。」
レナ「私のおねーちゃんよ!あんたなんかに絶対渡さないんだから!」
ユウリ「そーだ。レイナはレナの姉でお前の姉ではないのは見ても分かるだろ。」
やじを飛ばしあう傍ら、それを離れた場所から見ているアリシアとレイナ。
アリシア「一体あれは誰なの?そして今どうなってるの?」
 アリシアは、女悪魔に指を差す。
レイナ「あれはリナ。いつもお姉様お姉様言って私を奪おうとするの……。」
アリシア「えっ。どう見ても違うよね……。」
アリシアは、レイナとリナを二度見する。
二人がどう見ても赤の他人というのは、言うまでもない。
リナ「あら、お姉様~。」
レイナ「ちょっ……!」
いつの間にかリナが、レイナにべったりとくっついていた。まるで恋人のごとく。
 リナが、レイナに抱きついたままアリシアの方を見る。
アリシア「!?」
リナ「あら?新入りちゃん?」
アリシア「は、はい……。」
 リナが、レイナを腕で包み込みながらアリシアを引き寄せる。
リナ「あなたなら同情してくれるかしらね……。私はあの悪魔の魔法でこんな姿に変えられているけど、本当はここにいる彼女の切実な妹……。」
アリシアの耳元に、優しく囁く悪魔の声。
アリシア「……本当に?」
 アリシアは、一瞬疑った。
 隣では、レイナが首と手首を横に振っていた。
レイナ「違う違う赤の他人です騙されてはいけませんー。」
 アリシアは、やっぱり、と思った。
レナ「何!アリシアにまで手を出そうとしてるの!?」
そこに、キレているレナが入ってくる。
リナ「そっちこそお姉様以外に二人もたぶらかして!またたぶらかすつもり!?」
リナも、喧嘩口調で反論する。
レナ「何よ!たぶらかしてるのはそっちじゃない!」
リナ「貴様ぁ……!」
二人の血走った目は、お互いを突き刺すように睨んでいた。
 それを見ていたアリシアは、感情を押さえきれなくなる。
アリシア「……あまり喧嘩しないでよ!」
アリシアの怒鳴り声が、リビング中に響いた。
レナ「はっ………。」
リナ「なっ………!」
部屋の中の時間が止まったように、動きが止まった。
レイナ「アリシア……。」
アリシアの真っ直ぐな目は、喧嘩最中の二人を確実に捉えていた。汚れのない青い、澄みわたった瞳で。
リナ「と……とりあえず今日は、ここまでにしてあげるわ。また来るからその時は、覚えてらっしゃい。」
リナは、さっきまでの諦めの悪さは何だったかのように撤収していった。
アリシア「今のは何だったんだろう……。」
レナ「ううん、気にしないで?」
レナは、振り向いた。さっきの鬼のような形相は微塵もなく消え、いつもの可愛らしい笑顔でアリシアに微笑んでいる。
 アリシアは、微笑み返す。しかし、どこかすっきりとしていない様子だった。


《続く》

category: やみいろアルカディア

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Vierge♀Cendeillion~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~ #33 

#33 凶竜の契約印

前回のお話。
リリウムが、実験台の上で目覚める。
しかし、魔兎化していてとても話がきける状況では無かった。
グレンはリリウムに、睡眠薬注射をしようとするが、リリウムも抵抗。
なんとか射ったものの、グレンもリリウムが抵抗して出した黒い麟粉により、
2人一緒に倒れてしまうのであった……。

~ドラグネ山脈 道中~

 ドラグネ山脈に立ちこめる、深い霧も薄れた昼下がり。
チルリータ「もうすぐよ、休憩スポットは。」
不安定な地形を、勇ましく進むチルリータ。
一方、男勢はというと。
ジグマ「疲れた……。敵は強すぎるし道は悪いしもうグッタグタ………。」
エメラルド「まさかこんな冒険になるとはな………。」
………ずいぶん疲れた様子だった。HPも既に半分を切っている。
シシャモ「ん?そうか?」
もとい、シシャモだけはHPもスタミナも余裕な様子だ。
ジグマ「シシャモ何気にすごい……。」
エメラルド「能力はあろうとこれが多分、レベル差なんだろうな……。」
 2人は、ある意味自信を無くしていた。
シシャモ「まぁ、そのレベル帯でここまで来れた君たちもすごいよ。流石は魔兎を鎮めて面倒を見ている、2人だな。」
シシャモが、さらっと2人をほめた。
 進むうちに目の前には、簡素な小屋が見えていた。
 チルリータも、足取りを止めて男勢に言う。
チルリータ「さ、ついたわよ。休憩しましょ。」


~バベル塔 電力実験室~

グレン「うっ………。」
リリウム「ううっ………。」
2人は同時に目覚め、目を合わせた。
 リリウムは、きょろきょろと頭を動かす。薄暗い、まるでここで人体改造やらが行われているような怪しい実験室を。
リリウム「ここはどこ……。なんでりりは縛られているの……?」
グレン「ここはな……。俺の塔の研究室さ。」
 グレンが、分かったように言う。
リリウム「塔?何なの。しかもお前誰。怪しい……りりを誘拐したの………?」
リリウムは、グレンを睨み付ける。
グレン「また記憶喪失したのか………。」
 グレンは、頭を抱えた。
リリウム「記憶喪失って何なの!りり記憶喪失してないもん!この馬鹿馬鹿馬鹿……!馬鹿グレンっ!」
 リリウムが、怒鳴り声を発する。
 耳に響く程の大声に、グレンは耳をふさいだ。
 しかし、すぐにフフフと笑う。
グレン「……じゃあ記憶を取り戻したのか。びっくりした。」
 と、思ったら。
リリウム「……なんで、グレンの名前なんて知ってるの?」
リリウムは、きょとんとした。
グレン「まぁ、俺はグレンだよ?間違ってはない。」
 グレンは、腕を組んで頷いた。
 リリウムは、自分の今までの経路を考えてみた。
リリウム「りりがなんか暴走して……。火山に行って……。唐辛子を食べて……。りり、気でも失っていたのかな?」
グレン「うん。そして、ここに運びこんだのさ。」
リリウム「じゃありり………本当に記憶喪失になってたみたい。」
グレン「まぁな。」
2人は、お互いに笑い合うのであった。
リリウム「……で、なんでりり全裸にされてるの?この腕の刻印は何?」
リリウムの腕の上部。竜を象ったような形の刻印が刻まれていた。
グレン「これは……!」
グレンは、目を見開いた。
そして、突然リリウムの前にひざまずく。
グレン「我が主よ、これから貴女に命を掛けてお仕え致します。どうか私に、何でもお申し付け下さいませ。」


《続く》

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やみいろアルカディア #12 

#12 闇咲の片鱗

前回のお話。
アリシアは、お風呂でくつろいでいた。
そこへ、レナが入ってくる。
すると、突然レナに襲われるが……。
気がつくと、ベッドの上だった……。


アリシア「おはよう……。もうお昼だけど………。」
アリシアは、あくびをしている。
 リビングには、既に闇咲邸メンバー全員が集結していた。
レイナ「おはよー。アリシアって早起きなイメージだけど、今日は遅めだね?」
 レイナが、アリシアに話しかける。
アリシア「うん……。レイナ、向こうでひとつ聞いていいかな……?」
 アリシアは、昨晩のことが頭から離れずレイナに相談しようとする。
レイナ「何ー?」
アリシア「まぁ……ここでは言いづらいから……。」
 二人は、リビングから隣の部屋へと移動した。
 そこでアリシアは、昨晩起こったことを話した。
レイナ「きっと本当にレナに襲われたんだね……。双子の姉が言うのもなんだが、お気の毒さま。」
 レイナは、ふむふむと相づちを打つ。
アリシア「やっぱり!?………」
 アリシアは、目を見開かせる。
レイナ「レナの必殺技にして最強の技だよ。気持ちよさを味わわせてから、一気にとどめを刺す。何人犠牲者がいることやら……。」
 レイナは、妹のしでかしたことにまたか、と言うように苦笑いをしていた。
アリシア「やっぱり悪魔は怖い……。」
アリシアは、寒気がした。
悪魔とは、なんて恐ろしいものなんだと体感した上で……。
そして、ある疑問が浮かびあがってきた。
アリシア「ねぇ……、レイナ。」
レイナ「何?」
アリシア「レイナは、やられた事あるの?」
レイナ「何百回とね……。」
レイナは、息を含ませて呟いた。どこか慣れた様子で。
アリシア「そうなんだ……。ユウリやミライは大丈夫なのかな……。」
レイナ「多分彼らは大丈夫だと思うよ。」アリシア「どうして?」
レイナ「そこまでは分からない。けどね。」
レイナは、クスッと笑う。
アリシアは、どうしてそこで笑うのだろうと思った。
レイナ「まぁ、あまり気にしないこと。何かあったらまた相談しなよ?」
レイナは、アリシアの頭をぽん、と叩いた。
アリシア「はぁい。」
レイナ「さ、戻ろう。」
そして、アリシアとレイナはリビングへと戻っていった。
けれど、アリシアには心残りがあった……。
レイナが、何か隠しているように思えたから。
 レイナの目が、どことなく闇を映しているようにも思えたから。
 でも、彼女は今はあまり気にしないことにした。
 リビングに戻ると、闇咲邸の面子全員が構えていた。
レイナ「また出たの……。」
 レイナは、呆れた様子だ。
アリシア「ど、どうしたの………?」
 アリシアには、その訳がよく分からなかった。
 ただ視線の先には――白髪で黒い服を纏った女悪魔らしき者がいた。

《続く》

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Vierge♀Cendeillion~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~ #32 

#32 魔兎の復活


前回のお話。
リリウムは、霧のたちこめるお花畑にいた。
そこで、血塗れで倒れているリリウムに似た少女に出会う。
少女は、記憶喪失のリリウムに恐怖を与えつつ、リリウムに記憶を取り戻す手がかりを告げる。
すると、リリウムは魔兎として覚醒するのであった……。


~バベル塔 電力実験室~
リリウム「ウグァァアアア………ッ!」
リリウムは、唸って目を覚ました。
黒い耳、鋭い眼差し。グレンヴォルケイノの火口に来たときのように。
グレン「お、復活したね魔兎さん。名前とか思い出せるかな?」
 グレンが、安堵の笑みを浮かべる。
リリウム「グゥウウウウウ………。」
リリウムは、「それより早く離せ、殺すぞ。」と言うようにグレンを睨んでいた。
グレン「まぁまぁ、落ち着けって。」
リリウム「…………。」
グレン「で、調子はどうだ?」
 グレンが、改めて聞く。
リリウム「………グギャァアアア。」
リリウムは、ベッドに縛りつけられているままもがいている。
 彼女を縛っている実験台のベルトは、びくともしない。
グレン「抵抗しても無駄だよ。なんせこの実験台は特注品で、そう簡単に壊れはしないよ。」
グレンはそう言って、しばらくもがく魔兎の様子を見ていた。
それから数時間後。
 リリウムは疲れたようで、実験台の上で溶けたアイスの如くくたびれていた。
リリウム「アヴッ………グゥウウッ…………。」
グレン「どう?まだ抵抗するか?」
リリウム「………ッ。」
グレン「まだ暴れるようなら、これだな。」
グレンは、リリウムの目の前に薬剤が入った注射器を向けた。細い針先は、銀色に光ってリリウムに向いている。
 リリウムは、体をビクッとさせた。
リリウム「ウグッ!?………ククク。」
だが、すぐに逆らうかのように笑った。
そして、魔兎の身体が黒く染まる……。
グレン「なんだ?まだ暴れるつもりなのか?」
グレンが、注射器の針をリリウムの肌に触れさせる。
次の瞬間、真っ黒い触手がグレンの手に巻き付いた。
グレン「なっ!」
触手の締め付けで、手首が潰されるように痛む。
グレンは、触手を引き剥がそうとした。
 しかし、締め付けが強くて当然の如く剥がれない。
それどころか、触手はグレンを飲み込むように身体に巻き付いている。しゅるしゅると、ハイスピードで。
グレン「こら!やめろっ!さもなければ……。」
あっという間に触手は、頭部にまで巻き付いてしまっている。
ミイラ状態になっているグレン。触手と触手の隙間から、落ち着く気配の無いリリウムに眼を飛ばす。
リリウムの触手は、グレンの身体を彼女自身に引きずりこむ。
グレン「暴れるなぁ………!」
グレンは、自らの腕の重力を重くする。そして、何とか注射器をリリウムの身体に刺した。
リリウム「ウグッ!?……ギャァアアアアアアアアアアア!!」
リリウムが、叫び声をあげる。
触手が、グレンを更に引き込もうとする。
その時だった。
真っ黒な燐粉のようなものが、リリウムの身体から出てくる。
 グレンは、それを吸い込んでしまう。
グレン「ん?何だ………。眠いな………。」
突然、眠気がグレンを襲う。彼は、すやすやと眠ってしまった。
それと、同時に薬が効いたのだろう。リリウムの動きも完全停止していた……。


《続く》

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Vierge♀Cendeillion~ようこそ僕らの闇堕ちギルド~ #31 

#31 ユリの名を持つ少女

前回のお話。
ドラグネの町の宿。
ジグマ、エメラルド、シシャモ、チルリータは一室に集まっていた。
そこで、チルリータが例のドラゴンの話をする……。
一方、バベルの塔。
リリウムとグレンは、夕食後話をしていた。
そうしているうちにリリウムが眠りこむ……。
それを見たグレンは、ニヤニヤと笑いながらリリウムをどこかへ連れていくのであった。


~バベル塔 電力実験室~
リリウムは、眠っている。
実験台に縛り付けられているのに、気づかないまま。
全裸にされて、沢山の電極をつけられているのにも気づかないまま。
グレンは着々と、コンピューターを弄っていた。
グレン「えーと。ここはこうで……そこはこうで……。よし。」
グレンが、コンピューターのEnterキーを押す。
棚からゴーグルを出し、装着する。
 そして、実験台の前に立ち、よくある赤いボタンに手を当てる……。
グレン「グッドライク、魔兎さん。」
グレンはそういい放ち、ボタンを押す。
そして、すぐにそばを離れた。
その瞬間、稲妻として目で捉えられるほどの強い電流が、リリウムに流れる!
リリウム「○※*☆▼∧‰¢÷○∃↑§@←!!!!!!!!!!」
 電流を流した後のリリウムの体からは、煙が出ていた。
グレン「ちょっと……やり過ぎたかな。」

~???~
リリウム「ん………。ここはどこ………。」
辺り一面に、霧が広がっている。足元には、無数に咲き誇る白い花……。
リリウムは、その中を歩き始める。
 そして、少し歩いた頃だった。
リリウム「………っ!」
 血に紅く染まった少女が、花の上に倒れていたのだ。周りの花も血で、紅く染まっている……。
 リリウムはそれを見て、寒気が起こった。
リリウム「何……何これ……。僕………?」
 その倒れている少女は、まるで自分のようにも見えたのだ。
 倒れている少女は、リリウムの声に反応したように、こちらを振り向く。
少女「何オビエテルノ……?」
少女は、死に際のような微かな話し方で言う。
 その少女の顔は――リリウムそのものだった。
リリウム「………!!」
それを見たリリウムは、込み上げてくる恐怖に後退りをした。
少女「ダッテ、アタシハアナタ、アナタハワタシジャナイ……?」
 少女は地面を這い、リリウムの足を掴む。
リリウム「何……あ……うっ……!」
 リリウムは逃げようとするものの、足がびくりと動かない。
 少女は、それを見てククク……と笑った。
少女「ホラ……ココニ咲イテイル花タチモアナタ……。黒ク染マッテ血二汚レテイルノ。」
リリウム「……っ!!」
さっきまで白かった花。それがいつの間にか、真っ黒に染まっている。花や葉の先からは紅い滴がしたたり、血のような腐臭を漂わせている。
リリウム「もう何………何が言いたいの?僕に何をする気なの……!」
リリウムは、完全に涙目になっていた。
少女は、急に優しい笑みを浮かべた。そして、リリウムにこう告げる。
少女「ココニ咲イテイル花ハアナタノ名前……。黒クテ血塗レタノハアナタノ……。」
リリウム「もういいっ!僕は……グァアアアアア………!」
リリウムの身体は黒く染まり、黒い兎の耳が頭から生える………。


《続く》

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